思いっきり流されてみて、見えてくるものがある。ブレたからこそブレなくなる。続けるべきは自分との対話。

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講演録『周りに流されない自分スタイルの作り方』Part2


テーマを与えられると、どこまでも掘り下げ、止まらなくなってしまう3人。自分の歓び、心地よさ、楽しさをベースに、手元の一つ一つを大切に積み上げてきたからこそ話せるエピソードが次々に飛び出します。そして、経験者が語る”勝手に成果が出てしまう”流され方のコツとは?

2018年9月30日開催
しつもんカンファレンスin OKINAWA セッション4A

 


▼登壇者情報

スピーカー/
八納 啓創
建築家

都竹 正義
理 美容師 or 人生がときめく魔法のカット人

宗像 誉支夫
パン職人

質問家/
みちの えみこ
笑顔ライフ★プロデューサー、姿勢科学の専門家(姿勢調整師)



大きな流れの中で”自分はどういう生き方”をしたいのか

宗像:自分をどれだけシンプルにしてるかで、見えなかったものがやっと見えてきたりということのくり返しで、やっぱりぼくは、長く仕事って続けていけると思っているので。

ほんと……、今回のタイトルで”流されない生き方”ってあると思うんですけど、ぼくはいろんな情報に振り回される暇があったら、もっとこう内省するというか、自分自身が「何を削り落としたら、もうちょっと見えるようになるか」、そういう挑戦をいつもしている感じ。

それがたまたま外から見ると、ブレないように見えるのかなって、ちょっと考えましたけど。

みちの:ちょっと修行っぽいですよね。

都竹:でも、(周りは)いっぱい揺さぶってきますよね。

宗像:そう。

都竹:そう(内省)しようと思っても。すごいのがいっぱい揺さぶってくる。その中で…

宗像:でも、揺れたときがやっぱりチャンスで…

みちの・都竹:(笑)

宗像:そんだけ揺れてる俺なに?みたいな(笑)。

みちの:たとえばなんか、揺れたエピソードみたいなものってあります?

宗像:言える話の中であったかな(笑)。

みちの:言える話で(笑)。

宗像:言える話で……。じゃ、まず何か(都竹に手を差し伸べ、どうぞと促す)

都竹:ネタ…。いいですか? じゃ出しちゃって。ぼくはさっき言ったみたいに、大きく流された時期があるんで。社員というか大きい組織で、100人以上いる中でずっとディレクターみたいな形で、人を育てることとかに思いっきり流された時期があって。

流されたから、さっき(宗像が)言ってくれたみたいに、やっぱり流されてるかどうかがわかるということに、今日気づいたんですけど。それにずっと抗い続けるとか、流されて終わりじゃなくて、流されながらも、「じゃあ自分はどうするか?」ということを常に考え続けるということは、ずっとやってきました。

だから結構、流されたほうがいいかなと思いました。

みちの:いっときは。

都竹:たぶん。いっときは。

宗像:たぶん、ぼくらいい場所とか幸せとか、そういうことが好きで…。

都竹:そうそうそうそう。

宗像:ふだん関わってるんですけど、結局その反対側の人たちとか環境とか、そういうものが認識できるから、「反対のほうがいいんじゃないか」って提案ができるわけで。

やっぱり全体の大きな流れの中で「自分はどういう生き方をしようかな」って、そういうことなのかなと思います。

八納:ぼくもね、設計事務所で会社員を11年した後、独立するときに、はじめ30で独立をしようとして実は失敗したんですよ。忙しすぎて。周りに流されて。それで、「ほんとにこれでいいのかな?」って考えて、最終的には33のときに独立したんですけども。

やっぱり流されてもなかなか難しいなって経験をした後、流されないようにするために対策をいっぱい練っていかないと、なかなかそういう環境に行くのは難しいというのは実際ありますね。そういう経験をしましたね。

しつもんカンファレンス2018

宗像:そうやって、ぼくもいろいろ独学をやったり、自分の世界を追求してやってきて、最近会う人たちというのは、ぼくが一流だと思う人たち、トップランナーの人たちが多くて、でも話は普通に合うんですよ。

だから、「答えって結局、自分の中にあったのかな」みたいなことを最近はすごく感じることが多くって。

ぼくはその世界の人たちの情報がないんで、恐縮しないですね。(その人のことを)知っている人たちは恐縮される方が多いんですが、でもなんかブレないですね。

都竹:ブレたからこそ、ブレなくなってくるのかなって。情報も多いですし、それこそ明治維新の人たちが20歳くらいですごい国を動かすくらいパワーを持っていたのって、自分との対話がすごくいい時代だったんじゃないかなって。

たぶん速度も早いかもしれないですけど、なんか情報に溢れてて、いろんな組織があって、それをずっとやってきたので、今ぼくらの業界ではホットペッパーとかを使っていろんな集客とかするけど、(ぼくは)やってないっていうのもあるし。

そうやっていろんな情報で営業の人がいっぱい来るんですけど、その中で自分がどうあるべきかというのは、自分との対話じゃないと出てこないのかなって思いました。
(宗像の顔色を伺い)どうですかね?

会場:(笑)

宗像:自分の中に心地いいベースがないと、お客さまに心地いいを提供できない、っていう自信がある(笑)。

みちの:あぁ〜。

宗像:そこをごまかしちゃうと、全部が嘘になっちゃう気がして。そこだけクリアにしておこうかなって思います。

みちの:それはあると思いますね。なんか昔よくキャッチセールスに捕まってたときがあって……

宗像・都竹・八納:(笑)

みちの:銀座とかを歩いてると、お姉さんが寄ってきて、道を聞くのかなって思ったら「いい化粧品あるんですけど」とかって言ってくるんですよ。

で、その方の顔を見ると、その当時は私もまだ20代とかで肌もまだいい状態だったんで、自分よりちょっと(肌が)荒れてるなって思うと、「自分は(その化粧品)使ったのかな?」って思うんですよ(笑)。

なので、「いい化粧品があるなら、ご自分が使ったほうがいいと思います」って言ったんですけど。

宗像・都竹・八納:(笑)

みちの:でも、実際そうじゃないですか。おそらく、自分が健康だったりだとかいい状態じゃないと、提供するものも「ほんと大丈夫なの?」って思われたり、そういうふうに見えてしまったりするんじゃないかなと思うんで。やっぱり、自分がっていうのは、そういう意味ではすごく大事じゃないかなって思いますね。

 

人との対話から生まれてきたものを形にする。

みちの:ではですね、みなさんにちょっと聞いてみたいと思って、用意してきたことがもう1つあるんですけど。

みなさんが提供するものであったりとかそのスタンスによって、お客さま、もしくは日本とか世界がどういうふうになったら最高だなって思うか、というのを聞いてみたいと思ったんです(笑)。

都竹:それあれですよね。さっき勝手にしゃべり出したやつを、もうちょっとまとめたらいい感じですよね?

みちの:あ、いいえ、何でも大丈夫です。私はちなみに「笑顔で世界征服」っていうブログを書いてるんですけど(笑)、私がさっきの環境とかで言うと、イライラしてる人がいるのがすごい苦手なんですよ。

私の場合は、「健康でいてもらえればその人はイライラしない」と思っているので、みんなが健康だったら戦争はなくなると思って、そういう意味での世界征服なんですけど。
そういうふうに見たりするんですけど、たぶん、みなさん自身も自分が満たされたりすることによって、いろんなところに波及するみたいなことを考えることがあるんじゃないかと。

そういったミッションというか、すごい大きな話なんですけど、聞いてみたいなと思いまして。
じゃ、ちょっと八納さんから。

しつもんカンファレンス2018

八納:あ!(いつもの順番と)反対からですね(笑)。
え〜、ぼくはふだん仕事しているときに、たとえば家づくりの話ですると、家を建てたいって来られる方は、うちはどちらかというと土地とか環境とかもあるんですが、住む人が幸せな住居をつくるというテーマを描いてやってるんですね。

そうすると、ご夫婦で来られて、いろいろヒアリングをさせてもらうと、あまり煮詰まってない人も多いんですね。「う〜ん」とか言う人も多くて、そうするとそこで、「じゃあ、二人の価値観はどうかな」とか、いろんな話をしていって、整理をしていったりするんですけど、結構、一般的な人ほど、「自分たちがどうなりたいか」とか「どういう方たちを本気で幸せにしたいか」ということを考えきれてないんですね。

それを実際に設計する前に、ひたすらヒアリングして、まず質問みたいな感じで聞いたりして、そこを、ある意味ぼくが整理するというか、二人に話し合ってもらうような形にするんですけど。

ぼくが整理すると、お客さんがぼくに依存してくる。これはあまりよくないんですよ。あくまでも二人の話を聞いていて、二人で話し合いをしてもらいながら、こう積み重ねてもらって、二人の間でお互いの価値観を初めて知って、急にわかってモジモジしたりするんですけど、それもまた面白いんですけどね。

そういうふうにしていって、「あぁ、そうか。自分たちはこういうライフスタイルを描いてたんだ」というものが出てきたら、それをすかさず空間と形にするみたいなやり方でやってるんですね。

一個一個丁寧にそういうものをつくっていくことが、今さっき(みちのが)言われた、世の中に幸せが伝播することかなというふうに思っていて。だから見るビジョンは大きいんですけど、やることは手元の一個一個。

あと、ぼくは本(を書いたり)とかしゃべったりするのも比較的好きなんで、そういったものを書いて、実際に建てさせていただくお客さん以外の方にも知っていただいたら、その世界観が広がるんじゃないかなみたいな、そんな感じでやっています。

みちの:はい、ありがとうございます。
なんか、家を建てに行ったらコンサルティングされたみたいな感じですよね。

八納:うん。あまりそう思わせないようにはしてますけどね。

みちの:ま、でも逆にすごくありがたいですよね。だって、高いもの、すごく高いものを買うわけじゃないですか。そのときに、実はイメージが別にあったのに、そういうのとちょっと違うものをつくってしまって、あとになって「こういうつもりじゃなかった」って言われても困るわけじゃないですか。

八納:はい。だから、そこでぼくが二人の話を聞いていて、「こちらですね」って言ったら、ブー(ダメ)なんですよ。いいものはできない。

みちの:自分で答えを見つけてもらう。

八納:自分たちで見つけてもらうっていう感じですかね。

みちの:ありがとうございます。家を買うときはお願いします(笑)。

全員:(笑)

八納:はい。もちろん(笑)。

 

ネガティブなエネルギーも大切にする

みちの:じゃ、都竹さんお願いします。

都竹:大きい夢とかは、正直まだ……世界とかはですね、なくて。最近はやっぱり、今回もこの機会(カンファレンス)をいただいて、自分のことをしゃべったときに、ぼくらの仕事って、毛先が傷んでたりとか、顔が大きいとか、白髪がとかフケがとか、いろんな要素があるんで、ネガティブなものとか恐れてることとかをたくさんいただくんですね。

でもそれって、本当はそれが「よくなりたい」っていうエネルギーがすごくあって来てくださってるんで、そういうポジティブなエネルギーよりそういったネガティブさっていうものをすごく感じるというか。

本当によくなりたいっていうパワーに感じるから。みんな恐れとかあるし、自分自身もあるし、みんなが生きてていろんな不安とかあると思うんですけど、そんな中に本物というか、いいものがあるなって最近デザインを通してそれを感じたので、そういったメイクでもなんでもいいんですね。

歯を綺麗にするとか、別にその美しさに対して、髪だけじゃなくていろんなよさがあると思うんですけど、そのよさを一個一個大切にすることとか、自分のネガティブなところとか嫌なところをすごく大切にするような仕組みをつくって、残したい。で、死にたいっていうのがちょっと出てきたんですけど。それぐらいです。はい、以上です。

しつもんカンファレンス2018

みちの:仕組みにするんですね。

都竹:う〜ん難しいんですけどね、それはちょっと……、ほんとに今回機会をいただいて、「自分にできることはないのかな?」って考えたときに、それがしたいと思うんですけど、そういう具体的なビジョンっていうのはなかなか。

今の瞬間に生きてるっていう感じはすごくありますので。そういう感じですね。

みちの:ありがとうございます。
そうですよね、だいたいコンプレックスとかのほうが、こうなりたいという理想よりも、もしかしたら多いかもしれないですね。

都竹:もちろんもちろん。
それはほんとに大切で、コンプレックスをそのまま受容する人もいっぱいいて。そうすると、肌の質が悪くなったり、けっこう老化に繋がるので、それを受け付けるのはそもそもぼくの切る仕事じゃないんで、それをこさせないようになんとか防御するんですけど。

そうじゃなくて、それを突破して「よくなりたい」っていう人には、こっちも時間という命を使ってるので、「全力でしよう」という姿勢だけで今はやってる状態です。はい。

みちの:ありがとうございます。宗像さん、お願いします。

宗像:実はぼく20代のときは、ものすごく「世の中をよくするにはどうしたらいいんだろう?」みたいなことをずっと考えてたんですよ。当時オウムの事件があったり、神戸の震災があったり、「人間ってなんなんだろう?」っていうくらい、ものすごく考えた時期があって。

みちの:ちょうど世紀末ですね。

宗像:はい。「妹の病気を解決したい」というのと、「世の中をよくしたい」という想いが相重なって、「微生物でそういうことができないか」ということをすごい真剣にやったんですけど。

で、いろんな人に出会って、いろんな経験をして、現在に至るまでにやっぱり思うことは、全部、自分が発言してることとかやってることが外向きの間は、まぁダメかなって思ってて(笑)。

最終的に自分の手元に来て、自分の手元でどういう生き方をするかという段階に入っていって、それが全員入った瞬間に全部変わるかなって思ってて。

最近よく出会う、すごくキャリアがあって実績がある人たちというのは、ほんとに穏やかで優しくて偉くなくて、淡々とおばあちゃんにごはんみたいなのをつくるんですよ(笑)。

なんかね、ほんとね、滋味深いっていうか、沁みてくるような、そういう仕事をしていく人が多いので、この安心感というか、安定感というか、表現いいなぁって思って。外さないんですけど。

ちょっと最近そういう人が周りに増えてきて、自分が心地よさを感じ始めて、でもいちばんパワーもらった気がしていて。

ぼくはけっこう二人(都竹と八納)みたいに人の話を聞かずに仕事を続けてきて、最近ようやくいろんな人とコミュニケーションを取りながら、「こういうものをつくりたい」というのを一緒にやるっていうのを最近始めたんですが、この二人(都竹と八納)すごいなって思いますね。

まず、人ありきで。(ぼくは)ひたすら自分のつくりたいものを追求してきたんで。でも、そうやって人とエネルギー交換しながら自分の手元でものをつくりあげるということの素晴らしさっていうか、楽しさっていうか、それを最近になって学ばせていただいてるんで、いろいろ(都竹と八納に)勉強させてもらいたいなって思います。

 

人が怖いからこそ、観察する

都竹:控え室でぼくちょっと端っこで小ちゃくなってたんですけど、最初。ちょっと怖いですよね、人。

宗像:あぁ、それはあると思う。だからすごい(人を)観察するでしょ?

都竹:そう!

みちの・会場:(笑)

しつもんカンファレンス2018

宗像:ぼくもすごい観察するんですよ。

都竹:観察する。

宗像:ほんのちょっとのことでいろんな判断してるんですよね。

都竹:で、出していいんやって思ったら、すごい出すんですけど、なんかこう、いいところの人みたいな場合は、そもそも存在消しとこ、みたいな。

宗像:う〜ん。

都竹:こんな格好(柄シャツに被り物)で言うのもなんですけど(笑)。

全員:(笑)

都竹:怖いんですよね、人。

宗像:怖いですね。

都竹:すみません。

みちの:いいえ、大丈夫です(笑)。

八納:でも、怖いからこそどうやって人と接していったらいいかとか…

宗像・都竹:そうそうそう。

八納:研究したりするんですよ。

宗像:すごい慎重になりますよね。

八納:そうそうそう。で、すごく繊細な形で人と接するようになれるとか。

都竹:ほんとに「しゃべらなくていい」ってずっと思って、20ちょっとまで。「なんでしゃべらないの?」って先輩に言われるけど。でも、途中でそれが必要だって判断して、ちょっと冷たいかもしれないですね。いいものをつくるためだけにしゃべってるので、ちょっと人間としてはどうかと(笑)。

全員:(笑)

都竹:でも、そういう感じじゃないですか?(宗像の方を見て)

宗像:そういう感じです。

都竹:究極自分の道のよくなるようにっていう。

宗像:でも観察はしてるから……

都竹:そう。観察はしてる。

宗像:いちおう、「幸せそうかな?」っていうのは感じながら作るんで。

みちの:大丈夫です。なんか言い訳されてるような(笑)。全然、いいと思います。

都竹:こねこねしちゃうんです。なんか1個のテーマを渡されると。なんか、そうなんです。

宗像:とにかく深く掘り下げちゃうんです。

都竹:止まらなくなるんで。

みちの:大丈夫です(笑)。そういう時間なんで。

全員:(笑)

 

自分の好きな環境で全部委ねて流されてみる

みちの:聞いていると、流されたりするときもあったりとか、あと人の話もちゃんと聞くし、でもそれと自分との違いみたいなものをやっぱり感じたりとか。そういうことを大切にされてるというのを、お話を聞いていて思ったんですけど。

宗像:ぼくがいちばんその中で大事だと思うのは、流されてるという自覚があって流されてるか……

都竹・みちの:あぁ。

宗像:流されてると気づかず流されてるのか、が分岐点な気がするんです。

みちの:うん。たしかに。

都竹:(宗像の方を見てにこにこしながら)かっこいいです(笑)。

全員:(大笑い)

みちの:弟子入りしそうですね(笑)。

全員:(大笑い)

しつもんカンファレンス2018

都竹:ほんとにそう思います。

みちの:でも、たしかにそうですよね。

八納:あとは、なんていうのかな、自分がやりたくてやっている環境の中で流されるのは、ある程度オッケーかもしれないけど、自分が属したくない場所、嫌な場所で流されると、ほんとに変な方向に流されるんで。

たぶん、宗像さんの場合は、自分のやりたい環境の中での”流されて”だと思うんで、それはいいのかなっていう感じを受けたんだけどね。

宗像:今のでちょっと思い出したんですけど、ぼく陶芸っていう工芸の世界で3年間勉強させてもらって、未だにけっこう工芸の方とお付き合いが多いんですけど、いいものをつくるときに何が必要かといったら、どっかに弟子入りして流されている間にいかに自分を消して委ねられるかということが、ものすごい重要で。

抗いながら流されるっていちばん悪いんですよ。結局、技術も身につかないし、師匠の意図もひん曲がって伝わってるし、で、ろくなものがつくれないっていう。けっこうそういうパターンですぐ破っちゃう人が多いんですけど。

結局、滅私奉公といって、自分を完全にない無の状態にして、完全に委ねて仕事を吸収するという、なんかそういうプロセスってなかなか難しいみたいで。

こっちもね、そういうスタッフがいてくれればいちばんいいんですけど、何かしらのやっぱり自我をアピールしたいとか、自分はもっともっと作りたいとか、そういうところに意図が分散してしまうと、目の前の仕事に集中してなくて、ほんと人のところに来て、そんな時間はもったいないから「完全コピーしな」って言うんです、最初に。

「ぼくがやってる通りに動いて、やってる通りに作れるようになったら、君の実力すごいことになるから」って最初に言うんです。そしたらね、けっこう抵抗なくすぐ…。改善のスピードも素晴らしいし。っていうことが起きます。

流され方なのかも(笑)

みちの:流され方。

八納:自分がやりたい分野のことに集中し始めたら、そこに委ねて、結局、自分が見えてる視野の狭さっていうのはわからないんですね、自分では。

宗像:そうですね。

八納:それを見てくれてる人から言われたことは、どんどん視野が広がっていくから、そのプロセスのときはその場に委ねるってすごい大事ですね。

宗像:完全に委ねて、毛穴もう全部開いた方がいいです。

みちの・会場:(笑)

宗像:そしたらものすごい早いですよ。

都竹:勝手に成果が出る。

宗像:出る。

都竹:勝手に出ちゃって、その先にっていうステップがすごくいい。

宗像:親方との信頼関係もできるし、信頼されるし、仕事もいいし、全部揃うっていう。技術も身につくっていう。それで人間関係もすごくサポートし合える。そういうこともできちゃうんで。流され方、大事ですね。

 

短期的に儲けるもやっていい。ぼくらは長期的視点でやる

都竹:なんかね、すごい羨ましいなって思うんですよ。よくネット上に、なんか「パッとやって稼いで、好きなことを」って、あれ、買いたくなりますけど。ずっと自分たち(宗像と八納を含め)って…、あ!一緒に仲間にしちゃダメかもしれないですけど(笑)。

宗像・八納:(笑)

都竹:自分がやってきたことはほんと泥臭いというか。

宗像:うん。

都竹:だからちょっと悔しい気もするんですが。

宗像:でも、ぼくらは先人たちのことを学べば学ぶほど、自分自身のパワーになるんじゃないですか。結局は。

都竹:そうですね。ほんとそうですね。

宗像:っていうことにね、だんだん気づく年頃になってきた。なんだろうね。ほんと先人たち、すごいですよ。半端なく。

八納:だから、最近のネットのね、短期的に儲かるとかやってもいいと思うんですよ。1回や2回とかね。でも、ずっとそれをやっていくって、長期的には無理なんですよ。独立して10年15年ってやっていくと、そのネットでね、やったりする人は(続く人が)少ないというか。だいたい5年で消えていくっていう。

ぼくたちは人生をずっとこう歩んでいくんなら、積み重ねていく視点でいる。だから、確かに羨ましく思うかもしれないけど、だからやってみて、「自分もやったらいけるやん!」っていうのを経験してから手放してもいいし。見方はいろいろだと思うんだけどね。

宗像:たぶんいろんなエッセンスをぼくらは持ってるんで、それをどんどん使ってもらって、いろんな人に知ってもらって、みんなそれぞれに価値に変えてもらったら、すごい有効なものが伝わると思うんですよ。

都竹:ここ(会場の方を差し)に座ってらっしゃる方からも、ほんと学びしかないじゃないですか。こんなタイミングなだけなんですけど。今日も司会者(みちの)の方からも何か学ぶし……、すごい何でも欲しいですよね。どんな人もすごいものを持っている。

宗像:すごい発見いっぱいですよね。

みちの:素直に、人の話を受け取るというか、やってみるというか。

都竹:素直って言われるとなんか…。

宗像:うん、でもほんとに何気ない場面で、何気ない人と何気ない話を聞いてても、すごい感心してますよ。「まじかぁ!」くらいに。

都竹:ほんとにそう思いますね。で、そうなると止まらなくなってきて……

みちの:大丈夫ですよ(笑)。

都竹:寝れなくなったりとかしますよね。(宗像の方を見て、同意を求める)

宗像:ぼくは朝仕事があるんで、寝ますよ(笑)。

全員:(笑)

しつもんカンファレンス2018

(パート3へ続く)

写真記録チーム/田島聖子、多賀 健、猪野裕介

 

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続けてきたからこそ生まれるもの、見える世界がある。家、パン、髪に想いを寄せ、人格として扱う。

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