文化や価値観、相手のスタイルを変えようとするのではなく、「そうなんだ」から始める。

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講演録『世界のどこでも生きていく方法』Part3

 

”みんな“で育てる中国とバリの子育ての話から始まり、まだまだ止まらない日本との「違い」。文化や歴史、背景を知ることで受け入れられることもある。セッションの最後には、今となっては笑い話にできる衝撃体験をシェア。

2018年9月30日開催
しつもんカンファレンスin OKINAWA セッション5A


▼登壇者情報

スピーカー/
山脇 恭子
一般社団法人mother earth代表

日高 有紀
ジュエリーデザイナー

黒柳 聖子
バストリシェイプセラピスト

質問家/
永田 佳奈
LIFEWORK COORDINATOR


子どもは「みんなで育てる」。日本とは違う文化

永田:楽しむために大切にしていることって何ですか?

日高(有紀ちゃん):楽しむためにですか?ほんとに小ちゃいことでも感謝することですかね。やっぱり母子家庭なので、子どものことが忙しくて、でも仕事もしないといけなくて。両方忙しいという感じで、ほんとに時間がないんですけど。

お手伝いさんとか義理の家族、お友達とか近所の人とか助けてもらうことがすごく多くて、それがないと海外で家族をもってやっていけないかなと思うので、みんなの助けがあってほんとに生活できてるなってことに感謝しています。

永田:みんなで育てているという感じなんですかね?

日高(有紀ちゃん):そうですね。日本だと核家族が多いというか、子どもはわたしのものっていうイメージが大きいと思うんですけど。バリには義理の、旦那さんのお姉さんとか親戚が近くにいるんですけど、まだ赤ちゃんのときに、わたしに声をかけずに勝手にどこかに連れて行ったりするんですよ。

それで「いない!」ってなって。わたしには弟がいるんですけど、姪っ子とかをちょっと公園に連れて行くとかコンビニに連れて行くとか、絶対声をかけるじゃないですか。「ちょっと連れて行くね」って。それが(バリは)なくて、気づいたらいない、ということがすごく多くて。

だから、子どもはわたしのものだけど、みんなで育てるっていうか、境がない感じですね。

永田:そんなことを恭ちゃんのラジオでも話されてませんでした? 中国は「子どもは宝」だから……。

山脇(恭ちゃん):そうです。中国は「宝宝(バオバオ)」って書くんですけど、子どもは国の宝で、みんなで育てるんですね。だから、わたし最初に日本で子育てしたときがいちばん大変だったって言いましたけど、レストラン連れて行って(子どもが)泣くと、すごい冷たい目でサラリーマンのおっちゃんとかに怒られるんですよ。

「なんで、こんなところに小ちゃい子連れて来るんだ!」って言われたこととかあるんですけど、中国では絶対なくて。というか、街中うるさいみたいな(笑)。

黒柳(聖子ちゃん)・日高(有紀ちゃん):(笑)

山脇(恭ちゃん):声も聞こえないくらいうるさくて。それは中国の文化があるんですけど、レストランで食べるときに「大声で食べないと消化に悪い」っていう文化が。

日高(有紀ちゃん):(大笑い)

山脇(恭ちゃん):ほんとにそうなんです。

日高(有紀ちゃん):しゃべりながら食べる?(笑)

山脇(恭ちゃん):しゃべりながら食べないと怒られるんですよ。それって、ほんとにそうなんですね。消化に悪くて、だから大声でみんなしゃべるんですね。

一人で食べるなんて、もっての外で、わたしはよくお昼に一人でごはん食べているので、怒られるんです、中国人の人にね。「なんでそんなに寂しい食べ方してるんだ?」って。みんなで食べる……って、ちょっと話がそれましたけど(笑)。

「宝宝」って呼ばれてるので、その子たちがレストランで大声騒いでたりしても、怒られないんですよ。そういう文化があるので、「しゃべれ、しゃべれ」と言われて育っている。

うちの子たちを連れていっても、店員さんが抱っこして厨房に持って行ったりするんですね。で、骨つきの肉をガブって加えて戻ってきたり、りんごをもらって帰ってきたりするんで、すごく楽でしたね。

だから、「あなたは食べておきなさい、わたしたちが(子どもは)見とくから」ってみんな子どもが大好き。一人っ子なんで、子ども見たらもう「宝宝」とか「宝(バオ)ベイ」とか言うんですけど、みんなでいじくる文化がありますね。

日本はもうどちらかというと、「その人の子どもだから口出ししたりすると失礼」という文化がありますけど、違うんですね。

 

衛生の基準もトイレも全然違う。「そうなんだ」が大事。

永田:マウイはキレイだなっていう印象あるんですけど、中国とかバリって衛生的にすごくこう……。うちの夫が中国にいるんですけど、道路にカップラーメンの食べかけが捨ててあったり、子どもの服がお尻のところが割れてて、どこでもトイレできる不衛生な状況だと思うんでうすけど、そういうのはどうやって受け入れられてるのかなって。

しつもんカンファレンス2018トークセッション

日高(有紀ちゃん):不衛生というか文化で、ご飯食べるときって手で……(山脇(恭ちゃん)の方を見て)中国は?

山脇(恭ちゃん):違います(笑)。箸です。

日高(有紀ちゃん):ごめんなさい。トイレとかもティッシュを使わないんですよ。

永田:ふ〜ん。

日高(有紀ちゃん):どうやってるかよくわからないんですけど、手で洗うんですね。でも日本人ってそれしないから、旦那さんも日本で手で食べてたら……、日本人って手で食べるのは汚いというイメージだと思うんですけど。

でも、インドネシアからしたら、それが普通だし、トイレも逆に「なんでティッシュで拭くの?」って向こうの人からしたら思う感じで。

それで「自分もするの?」って最初は思ったんですけど、それもインドネシアの文化というふうに受け入れています、今は(笑)。変えれないんで、自分が受け入れるのが簡単かなって。

永田:変えれない……。ありがとうございます。

山脇(恭ちゃん):そうですね、 股割れパンツのことを言ってると思うんですけど、それも今は中国でも田舎のほうしかないんですけど。土間なんで、しゃがむとトイレができる状態なんですよ。座っとけばいいだけ。

おっしゃるとおり文化なんです、畳とかじゃなく、土足生活ですし。だから、彼らにとってはすごく衛生的。日本のオムツをつけているほうが不衛生。ずっと、出たものを持って歩いてるっていうか。

永田:(笑)

山脇(恭ちゃん):出たら拭くからっていう感覚ですよね。でもそれもだんだん西洋化されてきて、上海ではそういう股割れパンツの子はいないですけど、ただ聞いた話によると、オムツが取れるのは早いみたいですね。すぐ「おしっこ」って言うようになりますし。日本でもありますよね、紙オムツだったときのほうがいいとか。

だから、どちらがいいとかっていうのはわからないです。意味があって発展してきた文化なのかな。汚いわけじゃないんです(笑)。汚いわけじゃないんです。

日高(有紀ちゃん):(頷く)

山脇(恭ちゃん):ただそこに対する…………汚いですね(笑)。

日高(有紀ちゃん)・黒柳(聖子ちゃん):(大笑い)

山脇(恭ちゃん):掃除ができないんですね。なんでかなって思うんですけど、家が国のものだからかな。

永田:はぁ〜自分のものでは……。

山脇(恭ちゃん):ではないので、端からはじまで掃除をするということができない。お手伝いさんがうちの家にもいるんですけど、隅っことかも全然掃除しないし、上のものと下のものも一緒の雑巾で拭くし。その辺は適当ですね。丸く掃除する感じ。

日高(有紀ちゃん):適当。

山脇(恭ちゃん):適当。

永田:……バリと中国は”適当”で一致したんですけど、マウイはどうですか?

黒柳(聖子ちゃん):マウイですか? マウイは、美しいですよ。

会場:(笑)

黒柳(聖子ちゃん):愛に溢れている美しいところです。だから、こういう感覚はあまりないですね。あとは、違いを理解しようとしなくって、もう本当に「そうなんだ」っていう感じですね。

「そうなんだ」ってそれだけ。もうそこを理解しようとか、おかしいってそういうことを考えてると、ちょっとおかしくなるよね?(山脇(恭ちゃん)の方を見ながら)

山脇(恭ちゃん):(大きく頷く)

永田:「そうなんだ」で全部……。なるほど。

 

マウイで癒しを得たことで、自分の本音に気づく

永田:さっきの質問に戻ると、わたしの質問の答えで聖子ちゃんが言ってくれた、”自分に聞く”。自分に聞いて、それが答えなんだから正解っていうお話があったと思うんですけど、わたしがマウイに居たときは、ほんとに自分に聞けたと思ったんですね。

さっき聖子ちゃんがマウイに行ったときにず〜っと(自分に)聞いて、答えて、セッションしてたっておっしゃってたんですけど、日本に居たときはどうだったんですか? 自分に聞けてたんですか?

黒柳(聖子ちゃん):日本に居たときは、やっぱり旅に行ったときにそういう感じにはなりましたけど、日本に居て普通に暮らしてたらそんなふうにはならなかったですね。

しつもんカンファレンス2018トークセッション黒柳(聖子ちゃん):やっぱり自分の本音って、すごく突飛なことを言い出すじゃないですか。本当の本音っていうのは、「ここまで一生懸命やってきた仕事をやりたくない」とか「家族を持ったくせにお母さんとしてはちょっと無理」とか。

そういうのをすごく押さえて生きてて、でも旅に行くと、解放される場所……特にハワイとかは癒しが強いじゃないですか。そういう癒しが入ると、自分の正直さに気づくというのはありますね。

永田:子どもさんはいくつだったんですか? 母が「1ヶ月だけ」と言って、そのまま帰ってこなくなったとき。

黒柳(聖子ちゃん):(笑)、年を言うとそんなに小さくないんですよ。中学校を卒業して高校に入った2ヶ月後ですね。で、上の子は大学に入ってすぐっていう感じですかね。だから年はあれなんですよ。ただ、蒸発したみたいな。そういう問題があるだけ。

永田:蒸発したみたいなのがある。
LINEをブロックされているというのは?

黒柳(聖子ちゃん):やっぱり下の子はまだ理解というか……、寂しさを憎しみに変えて前に進んでいるんじゃないだろうかとわたしは思っています。

 

中国に駐在している主人が変わってしまった。イライラしている主人にどう接したらいい?

永田:ありがとうございます。
さっきちらっと話しましたが、うちの夫が2年前から中国に駐在していて、年に5回くらい日本には帰ってくるんですけど、すごく人が変わってしまったようにわたしは感じていて。

帰ってきてもすっごくイライラしてるんですね。海外に行ってゆったりしたら、感じることや自分に聞いたりできると思うんですけど、中国の状況ではすごくガチャガチャしてるし。

それだからかなと思いつつ、頭では理解しつつも、どうやって接したらいいかわからないんですけど、どんなふうにしたらいいでしょうか?(笑)

しつもんカンファレンス2018トークセッション異文化と自然の少ないところで住むことになったことで、イライラしてるんじゃないかと、わたしは思ってるんですけど。

山脇(恭ちゃん)・黒柳(聖子ちゃん)・日高(有紀ちゃん):(3人目を合わせる)

山脇(恭ちゃん):わたし? たぶん中国の仕事の仕方と日本の仕事の仕方がまったく違っていて、サラリーマンの人たちは一様にストレスを抱えていると思います(笑)。うちの主人もそうですし。

たとえば、契約したことが次の日に白紙になるとか当たり前。サラリーマンは日本(の会社)からの命令で仕事をしているので、個人でしてるわけじゃないから、そりゃ日本では許されないわけですよ。

日本から「なんでなんだ?!」って突かれ、中国側はもう「やらない」って言っていて、その板挟みになるのが駐在員なので。自分の意志で来たのでもないですし、適応できる人と適応できない人がいますよね。なので、駐在員はだいたい3年で帰るっていうのが義務づけられている会社が多く……、やっぱりおかしくなっちゃう方とかいますよね。

「中国人と仕事をすると中国人のことを嫌いになる」と、みんな言うんですね。これは、さっきからわたしたちが言っているように、わかり合おうとするから。でもやっぱり仕事って、わかり合わないとできないので、その辺はすごく難しいと思います。わかり合えないので。彼らの仕事の仕方が全然違うので、日本人とは。

わたしは今、中国の企業と組んで日本文化を発信するということをやってるんですけど、昨日も中国人の方から電話が入り、日本文化を発信すると言ってるのに「中国の影絵を呼びました」とか言ってるんですね。

影の絵。それで「中国のお菓子も置きます」とか言ってて、なんか「全然コンセプトが変わってるじゃん?」って(笑)。あと1週間しかないのにそんなことを言ってきたり。

あと、和太鼓の時間を入れてるのに、「和太鼓の時間をずらしてくれ」って言ってきたり。平気で言ってくるんですよ。

たぶん思いつきなんですね、すべてが。思いつきで言ってくることに踊らされると、すごい疲れる。だから、「できないことはできないよ」って言うし、なんだろうな……、ほんとに深く考えてたら進まないので。

適当に「じゃあ全部スケジュール出してね」って言って、影絵の話は放置しています(笑)。もうやるならやったらいいかなっていう。ちょっとおかしいけど。中は日本文化ばっかりなんですけどね。

「ちょっとおかしいけど」って彼らも言っているので、「いいのかな」って。それくらいの感じでいかないと、仕事は難しいかなって思いますね。

永田:(笑)わかり合えない……。

山脇(恭ちゃん):わかり合うっていうか「認め合う」。

永田:認め合う。

しつもんカンファレンス2018トークセッション

山脇(恭ちゃん):そういういろいろ入っててもいいんだっていう。彼らは日本みたいにきっちりしてなくていいんで。あと着物の体験とかもあるんですけど、それも「10人くらいまとめてやってくれ」とか。そういうのはできないし。

なんだろうな……、日本文化としてのすごく高度なことを求めるよりも、全員が体験できることが彼らにとっては価値があるんですね。そこには大きな差があって、平行線なので。彼らはもうできるだけ多くの人に体験させたい。着物なんか(襟など)合わせて綺麗に着なくていいんですよ。帯結んで、はい終わり、はい終わりってやってくれたらいいって言うんですけど、着物の先生は嫌ですよね。日本文化なので。

こういうところの接点をどこに求めるのか(笑)。どっちも折り合いつけて、どこに求めるかなので、これは両方完全にウィンウィンで分かり合えるということはないです。いつも思いますけど。

永田:ありがとうございます。聖子ちゃんどうでしょうか?

黒柳(聖子ちゃん):やっぱり男性は責任感が強いので、一生懸命やればやるほど相手に求めるものも強くなるじゃないですか。(永田のご主人は)中国の方を相手にされるわけですよね? そうすると、満たされない想いとか、一生懸命やっても最後の最後でバシャってされたりとか。

(なので)背中さすって、よしよしってしてあげたらいいんじゃないですか。

山脇(恭ちゃん):(笑)

永田:ありがとうございます。

日高(有紀ちゃん):わたしもマッサージとかしてあげたりとか、たぶん旦那さんが自分で気づかないと変われないかなと思うので。たぶん見守るということしかできないのかなって(笑)。

山脇(恭ちゃん):でも、うちの主人は中国の仕事のほうが好きなので、日本には「帰りたくない」って言っているので、それはやっぱりその人その人。

わたしがそう感じたように、タイミングがあるんだと思います。なんかすごく幸せのハードルが地に落ちたと思うんですけど(笑)。

もう日本の月〜金までの働き方より、中国のその……二日酔いだったらみんな昼ぐらいまで来ないですし。けっこう出張出張で、自由な時間が多いんですね。「そっちのほうがいい」と。だから、どこを取るか、折り合いをつけるかだと思います。

永田:はい。ありがとうございます。

 

衝撃的な事件:「みんなのもの」感覚。

永田:では、最後の質問です。

今まで異国に住んで、これはすごい衝撃的だったとかびっくりしたっていう事件が何かあれば、一つシェアしていただけたらなと思うんですが。

先ほどちょっと、金魚の水で(売り物のカバンを)洗ってたとか、もしかしたらそれは序の口かもしれないんですけど、何か「えぇ〜!」っていうびっくり事件を。

日高(有紀ちゃん):バリに住んでけっこうすぐのときに、実家に半年くらい住んでたんですけど。旦那さんのお姉ちゃん家族も住んでいて、一応わたしたち夫婦の部屋と、一つの家で部屋が分かれてたんですけど、普通に部屋に入ってきて冷蔵庫のものを取るとか、服を使ったりとか物を使ったりっていうのは当たり前で。

いちばんびっくりしたのは(笑)、旦那さんの長袖の服が1枚だけあったんですけど、それをお姉ちゃんが勝手にハサミで切ってノースリーブにして着てたんですよ(笑)。長袖の服は1枚しかなくて、探しても「ないない」ってなったら、お姉ちゃんがノースリーブになったその服を着てて。

人のものをハサミで切ることが悪いって思ってないんですよね(笑)。バイクに毎日乗るんですけど、お姉ちゃんは日焼けが嫌で手袋をするんですよ。わたしが庭の掃除用に買ってきたかわいい手袋があるんですけど、それが「ないない」って探してたら、(指の先端部分を)ハサミで切って、バイク用の手袋として使ってたんですけど。けっこうそうやって勝手に服を切ったりとか、長いスパッツをショートパンツみたいにして切って(笑)履いてたりとか、勝手にそういうことするんですよね。

でも、それを悪いって思ってないんですよ。”家の中にあるものはみんなのもの”みたいな。子ども(の扱い方)みたいな感じなんですけど、人のものっていう感覚はあまりなくて、それはすごいびっくりしました。

永田:そのとき有紀ちゃんはどうしたんですか?(笑)

しつもんカンファレンス2018トークセッション

日高(有紀ちゃん):言葉を失いましたね。

会場:(笑)

日高(有紀ちゃん):人にも言えなくて。なんかもうそのままですけど、びっくりしました(笑)。

永田:他にもそういった同じようなことが、いくつもあった感じですか?

日高(有紀ちゃん):けっこうそういうことは多くて。旦那さんと二人でゲストハウスを建ててそれを経営してたんですけど、旦那さんが亡くなったときに、お葬式が終わった翌日に「わたしたちが住むからもうもらうね」みたいな感じで、今住んでるんですよ(笑)。

一円もお金出してないんですけど、それもほんと自分たちのものって思ってるみたいで。やっぱりその辺の”家族の垣根”っていうか。日本って結婚したら……新しい家族がいるじゃないですか。でも、わたしの旦那さんは結婚しても元の家族のものは元の家族のものっていうか、こっちのものは全部元の家族のものっていう感じで、その辺はびっくりしましたけど。ほんとそういう感覚なんですよね、悪いって思ってない。

永田:悪いと思ってないから、誰にも言えなかったんですか?

日高(有紀ちゃん):言っても悪いと思ってないから通じないんですよ。だから、諦めるしかない、そういう感じです(笑)。

永田:ありがとうございます。聖子ちゃんはどうでしょうか?

 

衝撃的な事件:下着をつけない?ホリデーはお店が全部休み!

黒柳(聖子ちゃん):あまりびっくりはないかもしれないです。ただ、下着とかを着けなさすぎて、そこはちょっとびっくりしますね。洋服屋さんに入って試着するってなったときに、脱いだら何にも着てないんですよ。

日高(有紀ちゃん):パンツも?

黒柳(聖子ちゃん):パンツも。「(目を見開いて)あら〜!?」みたいな感じはありましたね。あとは、働き手と……う〜ん、どっち?働く人と働かされてる人?

永田:雇う人。

黒柳(聖子ちゃん):雇う人?が日本と逆転してるから、祝日のときは全員休みとか、店が全然開かないんですよ。みんな働く人が守られている。

日本だと誰かが出るとかありますよね。そういうのが全然なくて、全部休みなんですよ、クリスマスとか。ああいうのはびっくりですね。

永田:ありがとうございます。恭ちゃんはどうでしょうか?

 

衝撃的な事件:医療は進んでいるのに「いい加減」

しつもんカンファレンス2018トークセッション山脇(恭ちゃん):いろいろありすぎて……。ちっちゃいことから言うといっぱいありすぎるんですけど……、やっぱり医療かな。

中国の医療が劣っているわけではなくて、けっこう進んでるところはあるんですけど、なんせ適当なんで。たとえば縫うとかもジグザグに黒い糸とかで(笑)。交通事故でここ(額を示して)切っちゃったんですけど、黒い糸で縫われたりね。女の人なんで、ちょっと(笑)。「すぐ抜糸するから」って言われましたけど、しばらく黒い糸だったし。

骨折とかしたら、みんな中国の病院には連れて行きたくないって言うのが、無理やり……ちょっと曲がったままくっついちゃったりするところがよくあるんですよ。

これは別に医療が劣っているわけではなくて、いい加減なところからきてるのかなって思います。

北京に行ったときにSARSっていうのが流行りまして、いちばんわたしたちが嫌だったのが、それにかかると収容所に入れられちゃうっていう。先ほどから言ってるように衛生面とかあまり気にしてないんで、換気口から全部空気が一緒なので、第二次感染が起こりますよね。SARSは感染るので、「そういうところには行きたくない」って必死になって(笑)、うがい手洗い、あと消毒液で周りのものを鬼のように拭いてましたね。収容所に行きたくない!

医療面はそういうびっくりな話はよく聞きますね。

永田:お子さんは向こうの病院に行ってますよね?

山脇(恭ちゃん):次男三男は向こう(中国)で産んだんですけど、でも外人専用のVIP対応の病院だったんで、それはむしろ日本より全然(よかった)。家族同室で、ワインとか出て……というところなんですね。

中国の病院には行きたくないなというのはありますね。すっごい混むし、すっごい待つんですよ。わたしたち外人なのでその辺は受け入れられるんですけど、やっぱりローカルで一人で来た人とかは帰りますね、みんな。

骨折した人も骨折したまま帰るという(笑)ことは行われております。

永田:今日はありがとうございました。みなさまありがとうございました。
これで、最後のセッションを終わらせていただきます。

会場:(拍手)

写真記録チーム/田島聖子、多賀 健、猪野裕介

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