講演録『コミュニティがビジネスに必要な理由』Part1
好きなことをし続けていたら、いつの間にかビジネスが循環するコミュニティへと育っていった。「最初からコミュニティをつくろうと思ったわけではない」という3人のコミュニティリーダーたちは、どんな想いで活動しているのでしょうか? 異なる手法で築いたコミュニティの作り方から、セッションがスタート!
2018年9月30日開催
しつもんカンファレンスin OKINAWA セッション3C
▼登壇者情報
スピーカー/
高田 洋平(通称:ヤスシ)
高田プロデュース室/おうえんフェス主催/コミュニティプロデューサー
内藤 勲
webコンサルタント
トダ アキラ
戦略・マーケティングコンサルタント/TOKYO WINE PARTY 代表/ENGLISH CAMP代表/LIFE DESIGN LAB 代表/株式会社 旅工房 社外取締役
質問家/
細野 ゆーじ
クランツ株式会社 代表取締役
誰でも自分のコミュニティがつくれる時代
細野 ゆーじ(以下、細野):「コミュニティがビジネスに必要な理由」ということで、今日この3名のスピーカーの方に来ていただきました。質問家をします、細野ゆーじです。よろしくお願いいたします。
では、皆さんに簡単に自己紹介をしていただきたいと思います。
(高田(ヤスシ)を見ながら)、では、そこの赤い服の方から(笑)。
高田 洋平(以下、高田(ヤスシ)): こんにちは。初めまして。ワクワクコミュニティプロデューサーの”ヤスシ”と申します。よろしくお願いします(笑)。
会場:(笑)
細野: 誰だね、ヤスシって(笑)。
高田(ヤスシ): 昨年までは「マネバナ」という名前で活動していました。それをいかにアップデートしていくかが今日のテーマで、これが終わったときには「ヤスシ」とみんなから呼ばれるようにがんばろうかな、と思います(笑)。
会場:(笑)
高田(ヤスシ):普段は渋谷で7番組ぐらいラジオのプロデュースをしています。そのそれぞれがコミュニティになっていて、お客さんと出演者と全員がコミュニティで、「みんなでつくりあげるラジオ」みたいなことをやっています。
あとは「おうえんフェス」という、この(今日着ている)Tシャツなんですけど、全国で1,200人くらい集まるイベントをして、マツダミヒロさんにも昨年登壇していただきました。この「おうえんフェス」も1つのコミュニティになっております。”すべて関わるところが全部コミュニティ”になっているのかな、と思っているところです。
私自身は「心躍り狂う社会」ということで、1人ひとり、やりたいことにチャレンジしていけるような人が増えていけばいいと思っていて、そのためには、「金よりもコネが必要だ!」と。
高田 洋平(通称:ヤスシ)
高田プロデュース室
おうえんフェス主催
コミュニティプロデューサー
https://peraichi.com/landing_pages/view/takadakikakushitsu1988年 札幌生まれ 慶應義塾大学経済学部卒業
ラジオ/イベントのプロデュースを通じ、コミュニティをプロデュースを行うオンラインサロン高田プロデュース室主宰。一般財団法人カブジチコンソーシアムの理事に就任。大恩送りフェスタ/おうえんフェス/ママ夢ラジオ/起業家つながレイディオ等。スモールビジネス界の秋元康を目指す。
内藤・トダ・細野:・ほぉ~。
高田(ヤスシ):そうです!「取りあえず仲間さえいれば何でもできる!」ということで、「みんながそういうコミュニティをつくれるようになったらいいな」と思い、活動をしております。よろしくお願いします。
会場:(拍手)
細野:では、内藤さん。
内藤 勲(以下、内藤): 内藤 勲です。よろしくお願いします。僕は鎌倉から来ました。僕は今、ブログやSNSなど自分のメディアを使って、「自分のファンをつくろう」ということを伝えています。
ファンをつくるって、それが1つのコミュニティだと僕は思っているんですね。そのファンっていうのは芸能人とか有名人じゃなくても、今は1人ひとりが発信できる時代なので、誰でも自分のコミュニティがつくれます。そういう構築のセミナーやコンサルをしています。今日はよろしくお願いします。
内藤 勲
webコンサルタント
https://naitoisao.com/ひとりひとりが自分のファンを作ろう!をテーマに、主に個人でビジネスをしている方のファン作りをサポートしています。
モーグルスキースクールのインストラクター。花火鑑賞士。
会場:(拍手)
細野:はい、ありがとうございます。では、トダさん。
トダ アキラ(以下、トダ): トダと申します。主に東京の都内でワインのイベントをやっています。「ワイン会」っていうのをやっているんですけど、ワインをみんなで勉強するような会ではなくて、「ワインを飲みながら友だちをたくさんつくる会」っていうのをやってるんですね。小さいものは30人くらい、大きいものになると100人くらいのものを今、月間20回弱ぐらいやっていて。
会場・細野:ほぉ~。
トダ:もうすぐ1年で1万人参加するくらいの規模になるものです。
ワイン会のコンセプトと言うか、サブタイトルは「人と人とがゆるくつながる自由で気軽なワインパーティー」です。がっちりしたコミュニティじゃないんですけど、「ゆるいつながりの人が10,000人ぐらいいる」みたいな、そういうことをやっています。よろしくお願いします。
トダ アキラ
戦略・マーケティング コンサルタント、TOKYO WINE PARTY 代表、
ENGLISH CAMP 代表、LIFE DESIGN LAB 代表、株式会社 旅工房 社外取締役
http://lifedesign-lab.jp/大小10個のビジネスを並行して進める、自称「パラレル・アントレプレナー(並行起業家)」です。「人生は一度きり」を合言葉に、思いついたビジネスは全部やらないと気がすまないタイプです。忙しそうに見えますが、仕事も人生もマイペース。2019年にはロサンゼルスに移住する予定です。
会場:(拍手)
細野:はい。よろしくお願いします。ありがとうございます。ゆるくなんですね?
トダ:ゆるいですね。
細野:さっきトダさんがいらっしゃる前に、お2人(内藤と高田(ヤスシ))で話してたんですけど、結構(2人も)ゆるめな感じでしたよね。
内藤:ゆるいです。
高田(ヤスシ):こっち(私)はスパルタですよ。
細野:会場:(笑)
関わりすぎない、囲い込まない
細野:「コミュニティがビジネスに必要だなー」というのは聞いていらっしゃる皆さんもおわかりだと思うんですけど、三人三様でいろんな形のコミュニティを持ってると思うんですね。
今どのようなコミュニティを持っているのか、をまず簡単に教えていただきたいのと、なぜそれがビジネスにつながっているのか、ざっくりでいいのでお話いただけたらと思います。
では、ヤスシさんからどうぞ。
細野 ゆーじ
クランツ株式会社 代表取締役
http://ameblo.jp/hsn-uz/大手電機メーカー回路設計者から職人に転職、 お風呂専門の建築会社を興す 社長歴23年
自身の学びで魔法の質問と出会い、認定講師一期生に。
その後、ウェルスダイナミクスやコーチング等の資格も取得。
質問とプロファイルを使って、 人間関係が楽になり、ひとや自分にやさしくなれる講座や コンサル・講演を開催。中でも 「問塾といったらこの人」と好評で、 遠方からの受講者も多数。
学校の授業~先輩社長の相談にものる 異色の全方位型人気講師
高田(ヤスシ):私が意識しているのは、すべてのコミュニティにおいて共通の目標を先につけちゃうということです。コミュニティと言いながらも、それぞれ1つのプロジェクト単位と言うか、チームになっているのが特徴です。
ラジオもそれぞれの番組でコンセプトが違っていて、「ママ夢ラジオ」とか、「起業家つながレイディオ」とか、「スピラジ」(スピリチュアルなラジオ)とか、それぞれのメンバーが集まって、みんなで「こんな番組作ろうぜ!」みたいな感じでやるんですよ。
なので、もちろんその関わり方は濃淡があるんですけど、超ガッツリやりたい人もいれば、「出る時だけ出ます!」みたいな人もいて、それは全然オッケーなんです。でも「こういうことは大事にしようぜ!」とか「こういう番組作ろうぜ!」みたいな、共通の目的とか目標があって、そのプロジェクトのために動いています。
なので、「来てー」とか言わなくても、勝手に「じゃ、お茶しよう!」とか「打ち合わせしよう!」って集まるんです。ラジオってどんだけ何もしなくても、月に1回は放送日が来るんですよ 。
内藤:なんか、いつも盛り上がってる感じですよね(笑)。
高田(ヤスシ):なんかいつも勝手に盛り上がって、みんなでわいわいやってるんで。
細野:じゃあ、そのコミュニティは、(ヤスシは)つくっただけで関わってないの?
会場:(笑)
高田(ヤスシ):関わってない(笑)。つくって、任せる。
あ~だから~、関わりすぎると、なんか自分の……
細野:いい言葉ですね。関わりすぎ、ない、んですね。
高田(ヤスシ):そう。関わりすぎちゃうと”自分の色”が出ちゃうんで。
なるべく”色”は出さない。”口”は出さない。放置プレイですね。
内藤:それ(放置)は”意図的”だったんですね。
会場:(大笑い)
高田(ヤスシ):そう。管理をしちゃダメだと。
細野:管理ができないんじゃなくて、しちゃダメなんですね。
高田(ヤスシ):そうなんです(笑)。
細野:(ヤスシに向けて)今コミュニティは、いくつぐらいあるの?
高田(ヤスシ):番組が7番組あって、それ以外にもオンラインサロンとかやっているので、全部で9こくらいですね。コミュニティのプロデュースとして関わってるんですけど、全部放置プレイですね。
細野:でも儲かるんですよね?
高田(ヤスシ):まぁ、ちょっとずつ儲かり始めています。
細野:なるほど。わかりました。ありがとうございます。
(内藤に向かって) 内藤さん。
内藤: 僕は“何とかコミュニティ”みたいなのは特に持っていなくて、そういうコミュニティをつくろうという意識もあまりないんです。
たとえば「ブログの読者」も僕のコミュニティの1つだと思ってるし、「メルマガの読者」も僕のコミュニティの1つだと思っています。どれもゆるい感じで出入り自由だと思っていて、ガッチリした”囲い込み”的なものは苦手なので、ゆるく、「来るものは来てもらって、出ていく人はご自由に」という感じでやっていますね。
細野:内藤さん自身のコミュニティはそういうゆるい感じじゃないですか。実際にお仕事のコンサルでは「ファンをつくろう」ってやっていますよね。そういう人たちに対してもゆるいんですか?
内藤:そうですね。囲い込んだりガツガツ売り込んだりはしないですね。
細野:「こういうふうにしなさいよー」ではなくて?
内藤:本人がやりたければ選択肢の1つとしてあると思うんですけど、「あれこれこうしなさい」ということは言わないし、僕の講座に来てくれる人は、僕のやり方が好きで来てくれるので、その教え方は同意してくれる人が多いかなと思います。
高田(ヤスシ):内藤さんは、私の先生なんですよ!
細野・会場:へぇ~。
高田(ヤスシ):講座に1年ぐらい前に通わせていただいて、超~ゆるいっすよ。
会場:(大笑い)
高田(ヤスシ):何も教えてくれない。
内藤・会場:(大笑い)
高田(ヤスシ):場づくりみたいな感じですよね。
内藤:そうそう、”コミュニティは場づくり”ですよね。
細野:そうですね。場を提供する感じですよね。
ボランティアでもいいから関わりたい
細野:じゃあトダさんは?
トダ:はい。私はですね、コミュニティやってる人たちはコミュニティに入ってるっていう感覚はないんですよ。規模的な話をすると、メールアドレスが20,000件くらいあって、 Facebook のページのいいねは27,000件くらい、その人たちはこちらから情報を発信すると届く人たちですね。
で、この人たちは参加者で、この人たちを呼んでワインのイベントをやっているんですけど、実は僕の知らないところで、ここのワインのイベントで会った人たちが自分たちで勝手に飲みに行ってるんですよ。
高田(ヤスシ):すごい!
トダ:”子コミュニティ”みたいになっていて、知らない間につながっているというのがあリます。もう1こ、子じゃないんですけど、この10,000人ぐらいの中からボランティアをやってくれる人たちが200人ぐらいいて、会の運営を、その人たちがボランティアでやってくれるんですね。
その代わり当日ワインをただで飲めるというメリットはつけています。……というように3重構造くらいになっています。
内藤:そういうのは勝手に(ボランティアに)なってる感じですか? お願いしてとかじゃなくて。
トダ:ボランティアは一応 Web サイトで募ってるんです。
それも積極的にやってるんじゃなくて、 Web サイトの一番下にちっちゃく〔メンバー募集〕って言うリンクがあって、そこを見つけた人が入ってきてボランティアの一員になる。で、参加者が飲みに行くのは勝手に飲みに行ってるだけ。
しかも誰もボクを呼んでくれないんです(笑)。
全員:会場:(大笑い)
高田(ヤスシ):あの~ちょっと聞いていいですか?ワイン会って儲かるんですか?ワイン会を開くこと自体が、開き続けること自体が”キャッシュポイント”みたいな感じなんですか?
トダ:ワイン会を開くところがキャッシュポイントです。
高田(ヤスシ):人が来れば来るほど利益になるっていうことですか?
トダ:そうですね。……それも”からくり”があって。
高田(ヤスシ):お~っ、そういうのを聴きたいんです!
会場:(大笑い)
細野:食い気味に入ってる(笑)”僕も”聞きたいです。
トダ:誰か1人でワイン飲みに行って、お腹いっぱいになるまで食べて、ワイン10種類飲んだら、多分15,000円とか20,000円とかかかるんですよ。
高田(ヤスシ):確かに。
トダ:それを僕のところに来ると、立食のブッフェの料理で、ワインもみんなでシェアするので、8,000円ぐらいで飲み食いできちゃう。しかも10人ぐらいの人と知り合える。
それで8,000円とか8,800円って値付けしてるんですけど、こちらの仕入れからすると、僕、酒屋の免許持ってるので、ワインを安く仕入れて、レストランに交渉して、食事も普段レストランが通常でやっている営業よりも安くしてもらって、原価を抑えて、その差額を利益にしているということです。
高田(ヤスシ):なるほど!ちょっと皆さん!(会場に向かって)ワイン会、やりましょうよ!
全員:会場:(大笑い)
トダ:その(高田さんの)ラジオに女性のメンバーが多かったら、ワイン会めっちゃくちゃウケますよ。
高田(ヤスシ):いや~、今日ここに来て良かった!
会場:(大笑い)
高田(ヤスシ):酒屋の免許とかそういうのないんですけど……(大丈夫ですか)?
トダ:はい。僕が間に入って(笑)。
高田(ヤスシ):ぜひお願いします!場所は毎回一緒ですか?
トダ:場所は、そうですね。決まったお店をローテーションでやってるのと、最近はイベントスペースみたいなところを借りて、食事をつくるのも自分たちでやって、さらに原価を抑えてクオリティは上げるということをやっています。
高田(ヤスシ):じゃあ、たとえばボランティアスタッフの人たちが食事をつくったりするんですか? そこまではしない?
トダ:僕の真下にいる1番弟子みたいな人がフードコーディネーターで、そのフードコーディネーターのコミュニティがあるらしいんです。フードコーディネーターって資格取っても使う道がないので、タダで来てくれるんですよ。その人たちがタダで食事をつくってくれる。
高田(ヤスシ):(会場に向かって)「誰かこの中にー!(フードコーディネーターいませんか? )」(笑)
会場:(笑)
高田(ヤスシ):いや、すごいですね。普通はお金を払ってお願いするじゃないですか。それが、「ただでいいからやらしてくれ」っていう人がいるってことがコミュニティの力ですよね。
……なんか俺ばっかり聞いていて、ただの悩み相談って感じなんですけど。
全員・会場:(笑)
「個人ブランドを立てる」か「サービスを立てる」か
高田(ヤスシ):(トダに向かって)ワイン会のお客さんは、みんなトダさんのこと知ってるんですか?
トダ:会ったことがある人もいれば、Webで僕の写真を見ただけという人もいます。
高田(ヤスシ):じゃあたとえば、トダさんを好きな人が集まってるというわけではないんですか?
トダ:僕のこと好きなのは”5%”ぐらいです(笑)。
高田(ヤスシ):(内藤に向かって)内藤さん!(トダさん)ファンづくりできてないですよ!
内藤:(トダさんの)ファンができたらさらにいいですね。
トダ:これ僕のセオリーなんですけど、コミュニティをつくるときに「個人ブランドを立てる」やり方と、「サービスのブランドを立てる」やり方の二通りあると思うんです。
僕の場合は後者を選んでいて、僕のワイン会は「TOKYO WINE PARTY」って言うんですけど、そのWebサイトに「ゆるくみんなで楽しみましょう」って書いて、それに共感した人が集まってきています。
高田(ヤスシ):なるほど!「TOKYO WINE PARTY」のファンづくりをしている!
トダ:「TOKYO WINE PARTY」のファンづくりをしています。
高田(ヤスシ):それってつまり、毎回トダさんが行かなくても(ワイン会は)回るっていうことですよね。
トダ:僕は最近は1回も行ってないです。
全員・会場:え~っ!
内藤:でも利益は全部集まってくるんですか?
トダ:利益は、僕のところに入ってきたものの15%だけ、マーケティングを手伝ってくれる人に渡しています。
高田(ヤスシ):なるほど!……ワイン会やりたいな~。
全員・会場:(大笑い)
内藤:なんか名前変えてやるんじゃないですか?
高田(ヤスシ):ヤスシワインパーティーとか(笑)
細野:ハイボールパーティーとか(笑)。
トダ:今増えてるんですよ、僕の真似する人がすごく増えてるんです。もう告知文もすべてコピペ(コピーして貼り付け)してるような人がいるんです。
全員:会場:え~っ!
トダ:「これ俺がライティングしたやつ勝手に使ってるじゃん」みたいな(笑)。
(パート2へ続く)
写真記録チーム/田島聖子、多賀 健、猪野裕介
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