講演録『なぜ世界中のエグゼクティブは船に乗るのか?』Part1
大型クルーズ船の新造船が相次ぎ、世界中で大ブームになっているクルージング。25年前から携わるスペシャリスト、スモールシップ専門のスペシャリスト、そしてクルージングを楽しむスペシャリストが登壇!
2017年9月30日開催
しつもんカンファレンスin OKINAWA セッション3A
▼登壇者情報
スピーカー/
宮地 理津子
Current-R株式会社代表
日本医療ホスピタリティ学会 理事
日本歯科医療コーディネーター協会(JAMDPC)代表
仲町 康治
Mr.クルーズ
東山 真明
マーキュリートラベル株式会社代表
質問家/
WAKANA
ホリスティックライフコンサルタント
クルーズを愛する3人は、なぜ船に乗るのか?
WAKANA : はい、みなさん、こんにちは。
会場:こんにちは。
WAKANA : 本日はお越しいただきありがとうございます。今日はクルーズの話なんですけど、
クルーズに乗ったことある人?
あ、結構いますね。でも、たぶん日本では(クルーズに)乗ったことがない人の方がやっぱり多いですよね。
なので、乗ったことのある方は、よりクルーズの豊かな過ごし方だったり、クルーズでどんなことが変化したりがわかったらいいし、初めてクルーズの話を聞く方は新しい人生の選択肢が増えたらいいなと思っています。
WAKANA
ホリスティックライフコンサルタント
時間と場所にとらわれないライフススタイルで世界を旅しながら、各国でご縁のある方にホリスティックライフセッションを行う。1年のうち300日は海外に滞在。2015年より夫婦で始めたインターネットラジオ番組「ライフトラベラーズカフェ」(Podcast)は、Appleの2015年のベスト番組に選ばれ現在は30万人の視聴者がいる。
では、さっそくお話ししていきたいと思いますけれども。
きっと皆さん(お手元の)携帯で見れるので自己紹介はしていかないですけれど、簡単に伝えると。
まずは、仲町さんです。私たちは、Mr.クルーズと呼んでいるのですよ。で、船、クルーズにはいろいろな種類があるのですけれど、その中でも大きい船?
仲町 康治氏(以下、仲町(Mr.クルーズ)):大きいというよりカジュアル、だから入門編のクルーズですよね。
WAKANA:おお、なるほど。あ、そもそもクルーズって、何と何と何を言うの?カジュアル船と?
仲町(Mr.クルーズ):いろいろ分け方はあると思いますけれど、カジュアル、それからプレミアム、それからデラックスだったりラグジュアリーだったりというようなものと、冒険クルーズとかリバークルーズだったりとか、そういういろいろな分け方がありますよね。
WAKANA:その中のカジュアル船で、日本にね、クルーズという楽しさを持ってきた方なんです。
仲町(Mr.クルーズ):それはちょっと大げさだけど。24、5年前からクルーズに関わっているのですけれど、その時は全然、クルーズと言ったって、みんな、「そんなの行けないよ」とかね。
WAKANA:そうですよね、24、5年前とか、もっとね。
仲町(Mr.クルーズ):3泊のクルーズでも「長すぎてダメだ」という人がほとんどだったから、それをどうやって行ってもらうようにするか。それがやっぱり大変だったですね。
WAKANA:そうですよね。そんな大変な中でも、こうやって今ね、私も含めてクルーズですごく人生が変わっていく方がたくさんいらっしゃるということで、きっかけの人でもある。Mr.仲町です。
WAKANA:こちらは、Mr.東山です。
東山 真明(以下、東山):よろしくお願いします。
WAKANA:名前のとおり、すごくね、ラグジュアリー船とか、今ね、お話にあったようにスモールシップですね。
東山:そうですね。
WAKANA:だいたいスモールシップは何人ぐらい?
東山:えっと、まあ、小さいものだと100人。大きくても、500人くらいですかね。
WAKANA:結構な人数ですね。それでもね。
東山:仲町さんの言われたビックシップというのは数千人。3000人、4000人、一隻の船で5000人のお客様が乗っているわけですよね。
WAKANA:そう!一つの街が動くような船ですものね。
仲町(Mr.クルーズ):そうですね。
WAKANA:その、ラグジュアリー船や小さな船、スモールシップと言われる、とても素敵な船のスペシャリストであります。
東山:よろしくお願いします。
WAKANA:理津子さん、きれいでしょ!女性としてもとっても素敵なんですけれども。
先にご紹介した男性二人は本当にクルーズのスペシャリストなんだけど、スペシャリストばかりが話すとね、わかりづらいこともあるかなということで、実際にクルーズを体験した女性ということで。
で、今ね、日本て、なかなかこう忙しくてね。
宮地 理津子(以下、宮地(理津子さん)):そうですね。
WAKANA:家族で旅行に行くのもすごく大変だったりする中で、ご家族でバケーションをとって、クルーズにも実際に行かれている、本当に豊かな過ごし方をされているエグゼクティブでございます。本当にこのテーマのとおりの方なんですね。
ということで、今日はよろしくお願いします。
宮地(理津子さん):よろしくお願いします。
クルーズって高いの? クルーズで楽しめることって?
WAKANA:はい、じゃあ、ちょっと簡単なところからいきたいのですけれど、クルーズって高いですか?
仲町(Mr.クルーズ):うーん、普通の旅行よりも安い。
船で移動するから、交通費から、食費、エンターテイメントフィー、そういったものが全部入っての値段なんで。船でも、カジュアル船とかデラックスな船とか、それによって料金はもうピンからキリまでありますけど、本当の入門編から行くんだったらば、そういったもの全部入れて一泊1万円ぐらいから。
仲町康治
24年前に米国のクルーズ会社ロイヤルカリビアン-インターナショナルの総代理店の仕事に就いて以来、今日までクルーズに関連する仕事や活動を続けている。クルーズ雑誌への執筆、旅行会社や個人に対するクルーズのアドバイス、最も大事にしている活動はミヒロさん、わかなさんと一緒にクルーズを広めることです。
WAKANA:一泊一万円ですって。初めてクルーズに触れる方って、実際どうなのか、一万円の安さってわからないと思うんですけれど、実際クルーズって何をするのですか? どんなことするのですか? 船に乗るだけですか?
東山:船に乗ったことのない、陸の旅をしたことのある方にわかりやすく言うのは、「動くリゾートホテル」だと。これが動いている。寝て起きたら、次の街に着いているわけですからね。
WAKANA:リゾートホテル!格好いい。そうですよね。
東山:だから、なんら特殊なレジャーでもないですよね。
WAKANA:動く…。リゾートホテルって高いじゃないですか。で、今ね、海外でもホテルがどんどん(値段が)上がっているでしょ。よくね、海外にも行かれると思うのでわかると思うのですけど。本当にホテルだけでも、今、いい感じのホテルだったら……。
宮地(理津子さん):五つ星だったら下手すると大変ですよ。
WAKANA:そうですよね。
東山:ホテルって逆に、食事代って別でしょ。
WAKANA:別ですよね。リゾートホテルも。
東山:(食事は)ついてないでしょ、ホテル。船は、ついているのが当たり前ですよね。
WAKANA:3食ついているんですよね。
東山&仲町(Mr.クルーズ):3食、4食……。
WAKANA:私は1日6食、食べるんですよ! そのぐらいねえ、バリエーションもあって、美味しい。レストランもね、あるんですよね。
仲町(Mr.クルーズ):毎晩ショーもやっているしね。
WAKANA:そのショーがどんなショーか、ぜひちょっと、ご紹介いただいて。
仲町(Mr.クルーズ):この間、乗った船では、もう何十メートル上からね、ダイビングしたり、そのプールの中に飛び込むだけでなく、プールの水面がその床が上がってきたり、下がったりして。そこで、もう本当オリンピック選手クラスの人たちが、ショーをしたりするわけですよね。
WAKANA:そうなんです、船の上での話でございます。
仲町(Mr.クルーズ):それだけでなくて、アイススケートリンクがあって、アイスショーがあったり。
ちょっと、あの、想像つかないと思うんだよね。
WAKANA:なんかブロードウェイ級のショーとかもね、するんですよね。
仲町(Mr.クルーズ):そうですね。だいたい、アメリカでトップクラスのエンターテナーというのはニューヨークとか、ラスベガスに行きますけれど、その次ぐらいがみんな、クルーズに行くんですよ。だからクオリティはものすごく高いです。はい。
WAKANA:確かにすごいもう感動するショーをね、あれだけ見ても、すごい高いよね、という感じですよね。
仲町(Mr.クルーズ):高いですよね。
WAKANA:そのショーもホテルも食事も、あと移動費も全部込みで、本当に一泊1万円なんですかね。
仲町(Mr.クルーズ):そのくらいからありますけどね。あんまり、「安い安い言うな」って言われていたりするんだよね。クルーズ業界の人からね。
WAKANA:ここは業界外なんで、はい、もう赤裸々にお願いします。
仲町(Mr.クルーズ):ただ、クルーズの料金って、どうやったら安く行けるかとか、いつ申し込みすれば安いかとか、そういうノウハウがあるから、そういうのを利用すると、さらに安いけれど。
WAKANA:へえ、じゃあ、そんな、高くないってことですね。
仲町(Mr.クルーズ):高くないです。だから僕は本当、学生さんに行ってくれという感じで言っているんですよ。
WAKANA:あー、なるほどね。
仲町(Mr.クルーズ):そいで、4人部屋とれば、ものすごく安い。
WAAKANA:はい、学生さん、今いますか?
(会場:手があがる)おーっ
仲町(Mr.クルーズ):人生変わる、本当に。
WAKANA:ほんと、学生も大人の人生も変わるんですよ(笑)、そっか。
クルーズでの時間の過ごし方は?
WAKANA:そもそもクルーズで、何して過ごすの?というところがあると思うんですけれど。
どのようにみんな過ごしているのですかね?
東山:たとえば、今、「何が含まれているか」というお話がありましたよね。小型のちょっとラグジュアリー船になると、お酒も含まれているんですよね。ワインとかシャンパンとか、お食事時のワインもついていますし、バーでカクテルなんかも全部ついているんですね。大型船は、一杯いくらってその都度払わなきゃいけないんですね。
僕の場合は、だいたい酒を飲んでいますよね(笑)。堕落した、もうとことん堕落したまま過ごそうっていう……。それだけですよね。
東山 真明
http://www.mercury-travel.com/cruise/マーキュリートラベル株式会社代表
地中海、アラスカ、カリブ海、南極、世界一周など、世界中のクルーズを取り扱う。自身も年間70日洋上で過ごす。クルーズは誰でも気軽に参加できる新しいタイプのバケーション。その啓蒙に日々励んでいる。
WAKANA:その堕落っていう言葉は、すごく格好いい言葉なんですけれど、本当にダラダラ過ごすとか、ボーってして過ごす時間って、ふだんはあまりないですよね。
仲町(Mr.クルーズ):やっぱりスモールラグジュアリー船に乗ると、とんでもない人が世界から乗ってくるんでするよ。だから、「ああ、世界にはすごい人がいるんだな」って。それがいいですよ、すごく。
WAKANA:ちょっと、その辺の話も、あとでじっくり聞きたいと思いますけれど。
理津子さんは、どんな過ごし方をされるのでしょう?
理津子さん:はい、私は、会社に女性が多いので、ぜひメッセージを出したいのですけれども。
クルージング、わたしは、ちょうど7年前に始めたのですね。
「自分のビジネスもどうしようかな、家庭のこともどうしようかなぁ」(という時期で)、母が他界した時だったので、いろんなことがあった時に何の旅を選ぼうかなと思って、クルージングを選んだんですね。
前から、「とにかく一度乗ってみるといいよ、バカンスの本当の意味というのがわかるから」と友人に聞いていて、で、ちょうどその旅行がトルコからギリシャで、わたしと主人と娘二人と父を連れて、5人で行ったんですね。
エーゲ海を回ろうと。けっこう、気負って行ったんですけれど。その友だちがフランスエアリドスンワカサの出身だったので、それを見るんだったらというので。
本当にね、「あ、こういう時間の過ごし方があるんだな」というふうに思って。
いいですか、喋っていて?
WAKANA:どうぞ喋ってください。
理津子さん:安いとか高いとか、これもすごく一人一人の価値観で、おそらく私が乗った船はオールインクルードだったので、全部がインクルード(含まれている)だったのですね。積み上げていったら、ものすごくリーズナブルだと思います。もう、いろんなものが全部(含まれている)。
だって、ホテルがそのまま動くわけですよね。で、たとえば何飲んでも、シャンパンだってなんだって、お水だってなんだって、自分が、自由にすべてを選択できるのですね。
まず私はその自由さ。モーメントも、家族が全員自由に自分のやりたいことをできる。
宮地 理津子
http://current-r.com/「Well-being を世界に広げる」。私が定義しているWell-being とは、身体、心が活き活きと健やかで、自分や周りの可能性を信じられ共に成長できること。そして、その幸福感(豊かさ)を一緒に分かち合えること。このマチュアな感覚を日々洗練させ、少しでも多くの人とシェアして広げていく。この思いを実現させるために、たまたまご縁があった医療というチャンネルから発信しています。
・クリニック・マネジメント(主人と二人三脚で「一人でも多くの患者さんにファンになっていただくためには!に取り組んで30年)
・Current-R株式会社(皆んな同じ悩みを持っているのだ!では、実際、自分たちが実践して成功したことを他の医療関係者にもお役に立てるように再現性を持たせて発信しよう12年)
・Hospitality-Jの運営(娘たちがグローバルな環境の中で学ぶ中、日本人として誇りを持って前に進めるとよいなという思いから、日本の素晴らしさを発信しよう6年)
WAKANA:そうですよね。
理津子さん:私が大きな違いだなと思ったのは、さっきまでもちょっと言っていたのですけれど、普通の旅行はどうしても忙しいですよ。
見る!来た!アイフォンで撮って!お土産買う!みたいな感じで、なんか忙しないんですよね。
でも、クルージングの旅は全然違ってですね。
それに対比させると、うーん、まずは「出会う」。その出会うのは、いろんな人がいて、いろんな人がいろんな時間の使い方をしていてすごく学べるっていう意味での出会い。それと「体験」です。いろんなことが体験。あの船の中でもそうですし、寄港地を回る体験。で、女性は五感を使いますので、「感じる」。
もう、ほんとにね、船で360度、全部が見えるんですよね。、朝、昼、星空。
で、夜寝ているうちに次の寄港地に行ってくれるので、ふっと見ると、そこに島がこう、「ああ、あそこに行くんだなあ」って思いながら……、そのね、五感のリフレッシュ。
私あれは、お金に換算したらもう大変なものだと思います。すいません、ちょっと熱く語ってしまいました。
WAKANA:なんか本当、おっしゃったとおりで、日本にいると島国だし、なかなかヨーロッパみたいに移動することがないじゃないですか。
確かに船で、朝起きてカーテンを開けた時に、もう、次の国の新しい島が見えた瞬間って、遠くにね、見えて、なんか冒険に出てきたような気持ちになりますよね。
理津子さん:毎日が、島なんですが、「あっ、また新しい人生が始まるんだ!」とか、毎日毎日毎日、こう続くみたいな。「ああ、いいんだ、新しい人生を今日からスタートしよう」みたいな、そんなイメージでした。
仲町(Mr.クルーズ):人生の、何というかな、やり直しみたいな。ね。
日々、なんていうかな、今までのことを忘れてリセットする、っていう感じはありますよね。
WAKANA:確かに。なんかそうね、今、『クルーズで人生をリセットする』というキーワードが出ましたけれど、本当にあの、私ごとになりますけれど、いちばん最初に乗ったのが、「ロイヤルカリビアン」という大きな船。6000人?
仲町(Mr.クルーズ):そうですね。
WAKANA:6000人乗っているんですよ。で、おっきい。
仲町(Mr.クルーズ):お客さんだけでね。
WAKANA:そうそうそう、お客さんだけで。そこにクルーが?
仲町(Mr.クルーズ):3000人くらい。
WAKANA:3000人クルーが乗っているんですよ。すごいですよね。ちゃんとそれが浮いているんですよ。海に。
(パート2 へ続く)
撮影:寺前陽司、上田修司、清川佑介