講演録『海外で自分らしく生き抜く秘訣』Part3
セッションの最後は、海外から見た日本の良さについてと、これから海外へ出ていく人への実践的アドバイス。たくさんの勇気をもらった締めくくりとなりました。
2017年9月30日開催
しつもんカンファレンスin OKINAWA セッション1A
▼登壇者情報
スピーカー/
ハートリー明子
Body Mind Organic代表
田中みずえ
Mother Universe
小園英昭
『コゾノ式良くなる人事組織研究所』主宰。和太鼓奏者。
質問家/
佐倉幸
幸せ体質オフィス運営
海外から客観視すると、日本は「いい国」
みゆき: 海外で「日本人でよかったなー」って愛国心が芽生えたエピソードがあったら、教えていただきたいなって思うんですが。
ぞのん: 日本ってええ国やなってのはすごい思いますよね。
みゆき: たとえばどんな時に?
ぞのん: いや~、街中帰ってきたら綺麗やし、もう、洗練のされ方が違いますね。人も親切で。
あこてぃん: 優しい。
ぞのん: そう、そういうのももっともだし、コンビニですら笑顔ですごい。
あこてぃん: 海外のコンビニしょぼいですよね。おにぎりないんですよ。
みゆき: そうなんですか?
あこてぃん: だから、日本に帰る度に、すごい明るい店内がドキドキワクワクしますね。
みゆき: 暗いですか? 海外のほうが?
あこてぃん: なんか殺風景だったりしますね。なんでも。
プレゼンテーションが、デパ地下ってやばいんですよね。ハゲ丸に見せるだけで、あれで興奮してずっとビデオ見てる。さっきも言ってたけど、パッケージが凄すぎるから、「エコじゃない、エコじゃない」って、海外の方から見ると。
ぞのん: クリスマスのイルミネーションが一夜にしてすぐお正月に変わるじゃないですか。あんなのないすっよ。上海なんか今でもクリスマスツリー、ずっと!
会場: (大爆笑)
ぞのん: ホンマですよ!
みゆき: 1年中
あこてぃん: 1年中?
ぞのん: ね!それが一日で!そうですね。そういうのはすごいなって思いますね~
あこてぃん: 真面目ですね!
ぞのん: 真面目、真面目! 行き過ぎてるかなって、そこに偏ってるかなっていうのはすごい思ってて。
自分自身を客観視して、自分のいいところ、悪いところ見れたら楽じゃないですか。それと同じように、海外にいると、日本を客観視して、いいとこも悪いところも同時に見てる状態になると思いますよ。いいところも悪いところも見て、「やっぱり日本ってええな」ってつくづく思う。
みずえ: 私が思うのは、日本には信頼があるんだなって、すごく思うんですよね。
たとえば、子どもたちが修学旅行に行くとなって、パスポートを出してくださいって時に、日本って、普通に行けるんですよ。普通だと思っているけど、いろんな国の子がいて、ビザも用意しないといけない、とか。
あと、私たちみたいに転々としている人たちが家を借りたいっていうと「日本人だと貸すよ」って、結構ある。綺麗に使うし、文句も言わないしってのもあるんですけど、ちゃんとしているってイメージが、海外でね、すごいあるなって思いますね。
あこてぃん: うちの旦那さん、ルームメイトと一緒にシェアハウスをしてたんですけど、それ、全部女性です。
みゆき: あえて日本人で?
あこてぃん: 女性です。
会場:( 爆笑)
あこてぃん: それ、別の意味かもしれないんですけど、日本人女性とやったことはないって言ってました。
会場: (笑)
あこてぃん: それは置いといて、日本人は綺麗だし、要は、クレーム言わないんですよね。訴える文化じゃないので。いい意味で大人しいんで、都合がいいといえば都合がいいんですけど、ね?
「中国人と中東系の人を入れたらもうダメだ」って言ってました。たちまち玉ねぎとか置き出すんですって。悪い気を殺すために。だから、ハゲ丸が怒ってましたけど、「臭いからやめてくれ」って。
ぞのん: あと、日本人の、これは、普通の日本人ですけど。
普通の日本人の方が言っている情報って、すごい、こっちを考えてくれて情報を提供してくれるじゃないですか。そこって意外と、日本人だからやってくれるっていうのはあって。
だから、外国に行くと、自分に興味がないことは、目の前のことも「知らん」とか「ない」とか、勝手に言うわけですよ。それがおかしいんじゃなくて、それが普通なんだって考えたら、わざわざ相手の立場になって、必要な情報を提供する姿勢を持ってるってすごいことやなって。
それは、アフリカに旅行する時も「どこに何があって」という情報は、日本人の情報がいちばん信頼できましたし、ケニア人も、ケニア人も一人、大丈夫やったんですけど、エチオピアとかナイジェリアとか、いかに自分が儲けようかということしか教えないし。
だから、そこは、それを自然とやるでしょ。善意とかじゃなくて、自然とやるじゃないですか。そこは素晴らしいなと思うし、それなくして日本人じゃないなって。勝てないからやめろって話があると思うんですけど、「それやめちゃったら、日本人じゃなくなる」ってところはすごく、重要なんじゃないかなって思うんですよね。
みずえ: たとえば同じユニクロでも、日本のユニクロってすごいなって思いません?
みゆき: 違います?
みずえ: 包むのとかもすごく速かったりとか。先進国のシンガポールとかに住んでたんですけど、ユニクロは、日本と全然、細やかさとかが違う。全然違う。だからそういうのを見ると、うちの子ども達は外国人目線の日本人なんで「日本すげー」ってすごい言う。
今、ふと思い出したのが、息子が小4の時に、あの、学校体験に行くんですよね。すごい興奮して帰ってきたんですよ。「あの日本人すげー」って言うんですよ。
「日本人は、先生が言ったことを全力でやる」って必ず。インターだったら、まずやりたくなかったらやらない。だけど、「とにかく出されたことに全力でやる、特に女子」って言ってて。
そこが、なんかすごい、私たちにとっては普通じゃないですか。それが行き過ぎると、管理されたみたいになっちゃうんだけど、あの、やっぱりその与えられたことに対してめいいっぱいやる力っていうのは、日本人のすごいところなんじゃないかなって。
ぞのん: いい話を思い出したんですけど、すみません。
日本人学校、上海の日本人学校1000人くらいいるんですよ。めっちゃ多い。そこに日本が大好きっていう中国人のご夫婦の子どもさんが、たまに入ってくるんですよ。本当は入れないんですけど、すごいプレゼンをして入れはるんですよね。
運動会があって、去年かな。6年生は、組体操するんですよ。そこに、知り合いでもある中国人のご夫妻の子どもさんが、初めてかな、お父さんが来て運動会を見るってなって。初めて日本の小学生の運動会を見たんですって。ほんなら、組体操を見たお父さんが「日本には100年たっても勝てない」って。
「なんで?」って聞いたら、「中国だったら、あんな組体操は運動ができる子しかやらない。でも、うちの子は運動できない。全然運動できないのに、この素晴らしい組体操をできるようになるまでやってる。すごい、日本は!」って、びっくりしてたんです。
だから、全体の平均を上げるっていうところについてはすごい。そこに偏っちゃうんで、抜き出たやつをバーンって折っちゃったりするんですけど、平均を上げるの得意っていう素晴らしさも、忘れちゃいけないんじゃないかなと。
ただ、そこに偏りすぎってのが問題なだけであって。そんな「良さ」っていうの、日本にいるとわからなかったので。感動してましたもん、本当に。運動できへん子もここまでやるんだ!って。
みゆき: 頑張りますもんね。
あこてぃん: 頑張り屋!
ぞのん: ちょっといい話(笑)。
みゆき: なんか、日本人って良かったって思いますね。
渡航前に語学の準備は要らない!?
みゆき:あとはですね、えー、渡航するにあたってね。事前の準備とかいろいろなさったのかなと思うんだけど、やってはみたけどあんまり要らなかったなってことありますか?
ぞのん: ほぼすべてです。
会場: (笑)。
あこてぃん: 準備?
ぞのん: 渡航の準備ね。
みずえ: 私、語学。
みゆき: やんなくても良かった?
みずえ: いろんなね、形があるかと思うんですけど。
英語って、すごく勉強していかないといけないと思うじゃないですか。うまく話せないといけないとか。
主婦だということもあるかもしれないけども、結局、実際に行ってみると、ベルリッツとかいろんなところ、素晴らしいところで習っても、「言わないよね、そのシチュエーションないよね」って結構あるわけですよ。
私たち、お母さんたちと普通に話したりしても、「更年期がね」とかそういう話って、ベルリッツとかやってくんないわけ。本当にそういうことだと。先生と面談とかしても、因数分解とかいう言葉とか出てくるから、全然わからないってことあるから、1個1個、子どもと同じで、その中に入り込んで、体で覚えるしかないなっていうのがすごくあるけど、なんか私たちって、初めから完璧でなきゃいけないと思っちゃう。
だから、「完璧でないといけない」と思うから飛び込めないんだけど、飛び込んだからこそ、わかる世界があるっていうか。なんかそれを感じませんか?
あこてぃん: あります。
みずえ: だから語学は……
あこてぃん: まず行ってみる。
みずえ: まず行ってみる。
あこてぃん: 体が先ですよね。
ぞのん: 語学は要らない。
あこてぃん: 言い切りましたね。
みずえ: 言い切ったね。
ぞのん: なんだろう、従業員として働くという意味でいくと、使うと思うんですけど、日本人が従業員で行こうってマインドって「オイオイ」って気もするじゃないですか。
海外で自分の花咲かせてやろうかなっていうくらいの気概でいくのであれば、別に自分ができなくても、できる奴に信用してもらえばいい話なので、そういう人とつながっているのが重要じゃないですか。
与えたものは返ってこなくて当たり前
みゆき: 外国人から信用を得るって、どういうコツがありますか?
ぞのん: これね、いやらしい話なんですよ。
会場: (爆笑)
ぞのん: ミヒロさんに1回、喋ったかな?
これ、アフリカで身をもって見つけた方法なんですけど、信用できる奴をどう見つけるか。外さない方法があるんですよ。世界中で使える。常に使ってますから。聞きたいですか?
あこてぃん: 聞きたい!
ぞのん: しょうがねえな(笑)。本当に使えるんですけど、先に与える。
これは、もう鉄板ですわ。鉄板。相手が欲しがってるものを先に与える。これができるようでできない。
できないってことは、「返してくれないんじゃないかな、騙されるんじゃないかな」って(思うから)。違うんですよ、世界標準でいったら、与えた時に返してくれないのが当たり前なんですよ。そんな人たちが大多数。
でも中には、どんだけ貧乏な国に行っても、与えたものに対して返そうとしてくれる人が確実にいます。その人たちを見つければいいんです。私なんかそれだけで命繋いできたみたいなもんですよ。
だから先に与える、与える。与えまくって「取っていくやつが当たり前」と思ってるので、騙されたと思ってないんですよ。だから騙されたって記憶ないなって、与えまくってるんですよ。その中に返してくれる人、いるんですよ。しかも、こっちがビックリするような利子つけてとか。
いわば、「わたしと付き合えばええよ」と手挙げてくれるようなもんなんで、その人と重点的に仲良くすれば、人脈が勝手にできてるって話なんですよ。
それを、人脈紹介してくれるとか、政府系のどうこうとか、あの、いっぱいいるんですよ。
アホかと。信頼関係ないわけじゃないですか。顔合わせただけでやってくれるわけがない。
みゆき: そうですね。
ぞのん: そんなこと何もしてないのに、「中国人だから信用できない」とか言ってる日本人がめちゃめちゃ多いんですよ。これ、私からしたら許せない。
あこてぃん: 私、わたし。ダメダメ。
会場: (笑)
ぞのん: 問題は、そこに落ち着いて、相手が欲しがってるものを与えれば、返してくれる人がいるので、「返してくれないのが当たり前、返してくれる人と付き合えばいい」というマインドでいる中で、絶対いい人脈というか、つながりができてやってくれるんですよ。
あこてぃん: すごいいい話でした!すごい!みんなに
みゆき: 即実践ですね。あこてぃんは? 海外の方と信頼関係、心がけていることは?
あこてぃん: そうですね。まず与える!
会場: (爆笑)
あこてぃん: でも、本当、そうなんですよね。
あの、海外の人って日本人よりハグとかキスとかが多いんですけど。そういう、ジャスチャーでいいので、まずは笑顔とかで、何かエネルギー的なものなんですよね。与えるとか、笑顔とか、ただのやつでもいい。
まずは話しかける、関わってみる
あこてぃん:今の自分でできることなので、私がいちばん学んだことっていうのは、自分から話しかけることですよね。結局、人とのコミュニケーションのいちばん基本というのが、どれだけ、一個でも多くの共通点を見つけるか。仲良くなります、ミヒロさんも言っているとおり。質問力を鍛えるためにも、自分から話しかけるということは、ちょっとドキドキしながらでもやってましたよね。うん。
日本人って「ジャッジされるんじゃないか」って思ってるから、話しかけれない。常に完璧を求めて、間違えたくない、傷つきたくない、その『恐れの選択』があるから、何もできない、行動に一歩を踏み出せない人が多いんですけども。自分がジャッジしているから、そう思ってるんですよね。
ジャッジしないというか、まぁ、まっさらな、ニュートラルな気持ちで、まずは話しかけてみるというところを心がけるといいのかなって。与えることにつながるんだと。
みゆき: そうですね。
あこてぃん: ついつい「何をしないといけない」と思うんだったら、そうじゃなくて、ま、できる範囲でいいので、話しかけてみるということです。
みゆき: 仲良くなってみようという気持ちとか、大事かもしれないですかね?
あこてぃん: そうですね、だから、外国の方、隣合わせになっただけでも「今日の服、綺麗だね」とか、すごい話しかける。
みゆき: 嬉しいですよね。
あこてぃん: 何かの下心あるかもしれないんですけど、ないんですよ(笑)。ない感じで話しかけてくれるので
みゆき: 素敵ですね。瑞恵さんは?
みずえ: みんな、人なので、日本人と同じじゃないかなって思うんですよね。
だから、なんだろう、アッコさんが言ったんですけど、「英語ができないから、前に出て行かない」とかじゃなくて、たとえば、ボランティアとか、英語できなくてもいいからとにかく一緒にやってみるとか、「この人って自分と向き合ってくる人なんだな」っていう姿勢を見せるっていうか。
国籍が違っても同じ悩みだったりとか、同じ気持ちとか持っているから、みんな、そこを分かち合うこと大事かなって気がしますね。
みゆき: 本当ですね。なんか外国人とか日本人とか関係ないんですね。
みずえ: 関係ないですね。
みゆき: そうなんですね。与えて、与えて。
今日はですね、何でしょうね、自由な海外で。
ぞのん: さっきの楽屋トークの延長で。
みゆき: 本当に楽屋トークの延長でやらせていただきましたが、本当になんて言ったらいんだろう。まとまんなくなっちゃった(笑)。
最後、綺麗に瑞恵さんがまとめてくださったので、海外も関係ないなっていうことで。
柔軟な対応で皆様、本当にありがとうございました!
撮影:寺前陽司、上田修司、清川佑介