世界を知ることで見えてくる日本の教育。 違いはどこにあるのか?

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講演録『世界の教育』Part1

 

教育の現場に関わり続けるスピーカー&質問家4人が集結!「世界の教育」という、シンプルで大きなテーマのもと、内外から「日本の教育」を見つめるセッションとなりました。

2017年9月30日開催
しつもんカンファレンス in OKINAWA セッション2B


▼登壇者情報

スピーカー/
いぬかい良成
教育活動家

高橋香織
しつもん財団事務局

山脇恭子
社会福祉士。上海ネットラジオとpodcastにて、子育て相談「ままサプリ」を展開中。

質問家/
塩沢 節子
横浜市に小規模保育園の代表


塩沢 節子さん(以下、せっちゃん) はい、ありがとうございます。ドキドキワクワクしながら楽しみにこの時間を待ってました。

私から簡単に自己紹介させていただきますと、川崎で幼稚園とか保育園をやってます、塩沢節子こと、せっちゃんです。魔法の質問で勉強させていただきます。よろしくお願いします。

講演録『世界の教育』しつもんカンファレンス

塩沢 節子 ニックネーム・せっちゃん
横浜市に小規模保育園の代表

子どもの時から子ども好き。念願叶って保育士になりましたが、『いい保育士さんって?』と現場に夢破れ退職。子どもを産み、今度は『いいお母さんになりたい!』と思ったのにまったく理想通りにはいかない子育て。そもそも正解のない、子ども(人)との関わりに興味をもちアドラー心理学を学びました。共感や承認、受容が人との関わりが大切なことを知りました。子どもを真ん中に!大人も子どももみんなで育ち合う園を目指し、自宅から始めたチューリップルームは19年目。現在は横浜市に小規模保育園を三園も法人代表として運営中。自分の人生自分で作る!輝く大人の姿を見せたいとチャレンジの日々です。

 

今日はたくさんのテーマの中からまずここに来ていただいて。「世界の教育」ってすごいテーマですよね。他のテーマを見るとすごいわかりやすくて、「こんな話をするんだろうなー」と想像つくかなとは思うんですけど、世界の教育は、世界観がとっても広いんですよね。

スピーカーの方の自己紹介の前に、お隣の方と「世界の教育ってどんな話を聞きたいのかな」ということをちょっと考えてみて、シェアしてもらってもいいですか? それをまた書き留めていただいて。

会場(シェアタイム)

講演録『世界の教育』しつもんカンファレンス

 

スピーカーにとっての「世界の教育」

せっちゃん では、そろそろよろしいでしょうか?

マツダミヒロさんを知らない方いますか? 『魔法の質問』を知っているという認識でいいでしょうかね。そのつもりでお話は進んでますけれども、「答えはないよー」というところでセッションを始めたいと思います。

今、みなさんに、「世界の教育のことをあなたはどう思っていますか?」というシェアをしていただきました。

実はこの時間の前に打ち合わせをしたときにお三方でもその話になり、「まずみなさんに聞いてみよう」となりました。お三方の答えがまったく違ったので、とても面白かったんですね。ですので、紹介も兼ねて、順番に世界の教育というテーマでお話していただけたらなーと思います。

話したことなどメモしていただいて。またあとで、質問などしてもらえたらいいなと思っています。では……、いぬかい良成さん。

講演録『世界の教育』しつもんカンファレンス

いぬかい良成 ニックネーム・チャーリー
教育活動家

「教育活動家」として国内外に幼稚園や保育園、学童保育を。また、大人の学び舎「日本ペアレンティング協会」も運営し、自ら「コーチング」「心理学」「NLP」他などを学び、著書としても「子どもは悪い子に育てなさい」を出版。先日は「教育×マインドフルネス×リトリート」として海外の教育者とも対談。趣味の登山ではキリマンジャロへ登頂成功!

 

いぬかい良成さん(以下、チャーリー) : 僕はチャーリーと呼ばれているので、今、きっと名前をド忘れしましたね、たぶん。チャーリーでいいので、チャーリーと呼んでください。どうも初めましての方が多いと思います。

私はですね、千葉県の船橋市はご存知ですか? フナッシーのね。もう、ちょっと古いネタになりましたけれども。船橋市というところで、幼稚園と保育園複数と学童保育園をやっています。

そして東京都三鷹市のほうで、4月からインターナショナルスクール、幼小中高一貫校のインターナショナルスクールとあとオーストラリアの方でプレキンダー、幼稚園の前ですね。日本だと2歳児くらいまでの教育活動をしています。

僕はですね、世界10数カ国の……、あ、もう少し短い方がいいですかね?

せっちゃん : 大丈夫です。どうぞどうぞ。

チャーリー : 世界10数カ国の教育を探求しておりまして、アメリカから始まって、オーストラリア、ニュージーランド、日本、アジア、アフリカ、ヨーロッパ、ブータン……。中国行ったことないんですよ、そういえば。

山脇恭子さん(以下、きょうちゃん) : ぜひいらっしゃってください。

チャーリー : そんなところで、日本を含めた東南アジアとの教育の違いというものを探求しております。

事業のほうでは、私は幼児教育なので、(幼児教育の中で)いちばん合っていると思うイタリアの教育のレッジョ・エミリアという教育を取り入れています。あとは日本のおもてなし社会、マナーの社会ですね、それは本当に素晴らしいなと思うので、しつけ教育というものも力を入れて。

あとは第二外国語。最低でも英語はできないとなと思っておりますので、うちの学園だけでもネイティブの英語の先生が5名と、あとバイリンガルが5名と。担任の教師さんでいうと、幼稚園の12クラスの中で3名くらいが帰国子女の方、事務の方で1人トライリンガルの方がいたりとか、なぜかそういう特色のある幼稚園なので、特色のある方が来ていただいています。

こんなところでよろしいでしょうか。先ほど配った中にQRの方で、ぜひ私とお友だちになっていただければ。そちらのFBページではいぬかい良成ではなく、チャーリーイヌカイでプライベートも知ることができますので、よろしくお願いします。

せっちゃん : では、きょうちゃんです。よろしくお願いします。

きょうちゃん : みなさんこんにちは、山脇恭子と申します。『魔法の質問』ではきょうちゃんと呼ばれています。年甲斐もなくすみません(笑)。

 

講演録『世界の教育』しつもんカンファレンス

山脇恭子 ニックネーム・きょうちゃん
社会福祉士。

中国12年目で上海在住。3兄弟の母で社会福祉士。「ママの笑顔がすべてを変える」をコンセプトに子育て講座「ままサプリ」、上海ネットラジオとpotcastにて、子育て相談「ままサプリ」を展開中。

 

きょうちゃん :中国が北京5年、上海7年目で、今12年目になってまして、人間10年超えるとその国の人になると言われているので、ちょっと中国人になりつつある今日この頃です。ミヒロさんからは「日本語が上手でしょー」と紹介されるのですが(笑)、日本人です。どうぞよろしくお願いします。

で、私は今上海に住んでいて、主人の駐在で行ったんですけど、「永住するのか?」という形になってきていまして、なんか帰れないんですね。

中国ってご存知の通り、日本ではとっても、なんだろうなぁ、どちらかというと印象が悪い国だと思うんです。「とても画一的な報道だなぁ」って、中国から見ていたらすごく思うんですね。いいところもいっぱいあって、でもそこが報道されずに、やっぱり何かの意図があるのか、すごく悪いところばかり報道されちゃって、主人の代わりが来ないという事態に陥っておりまして。うちがずっと居続けさせられるのかという感じになっています。

その中で、私自身が3人男の子を育てていまして、それぞれ特徴的な子どもたち、今考えるとですが、長男がたぶんアスペルガー的なものを持っていたのと、次男が多動症気味?ま、限りなくグレーです。社会生活は行えていますし、学校生活も全然順応していますので、グレーなんです。

私自身もさっき言ったことを忘れちゃうし、お弁当を作ってて、子どもたちに何かがないって言われて探してたら、お弁当を作ることを忘れちゃうんですね。ということが、小さいときから繰り返されていて、ちょっと生きづらさを感じていまして、たぶんそういうものを持っているな~と思うんですね。

今、たぶん発達障害のお子さんが日本にすごく増えていると思うんですけど、『魔法の質問』の人たちはほとんどそうだな~と思うんですよ。

会場 :

高橋香織(以下、かおりん) : いやいやいや(笑)。

きょうちゃん : あの、私自身が皆さんと話しやすいし通じやすいという意味です(笑)。で、これ、日本は障害と言ってますけど、諸外国ではそうじゃなくて、アメリカでは、スターチルドレンとかレインボーチルドレンと言われておりまして。まぁ、トム・クルーズとか有名ですけど、スティーブン・スピルバーグとか、いろんな人が、えっと……、誰でしたっけ?アップルの……

チャーリー : スティーブ・ジョブズ

きょうちゃん : とかも、そうだって言われていますよね。そこを伸ばす教育をすごくしているんですよね。中国もそこまでは全然いってないんですが、ただ、気質的に排除しない国だなーと思ってます。

なので、ローカルスクールに行ってた子どもが「日本の大学に入ります」と塾に行くと、急に断られることがあったりします。すごく落ち着きがないので、「調べてもらってください」ってなるんですね。中国の学校では普通にできているんです。アメリカなんかではバランスボールに乗って授業したりとか、ガム噛みながらとか、

チャーリー : 僕、事務所でバランスボール乗ってます(笑)

きょうちゃん : そうですよね~。なので、「障害っていう言葉を使って仕分けしているのって日本だけなのかなー?」とか思ったり。これはたまたま、私が中国に行って気づいたことなんですね。

で、中国に行ってみて生活してみると、とっても生きやすくなりました。なぜかというと、みんなが私のことを見ていないし、みんなそれぞれが自分らしく生きていて。

ま、めちゃくちゃなんですけどね。道路で掴み合いの喧嘩してるし、お金は投げてくるわ、タクシーの運転手はいつも怒ってて。今でも腹が立つのは何回も聞き返してくるんですよね、行き先を。もう毎回、「もうそれやめてほしい」って思うんですけど。

せっちゃん : なんで何回も聞かれるんですか?

きょうちゃん : わかんないんです、それが。何回も聞くんです。「は?」「は?」って。その「は?」っていうのがイラッとするんですけど、自分もめっちゃ使ってます、今。(笑)。

日本人には失礼なんですが「は?しぇんま?」って言っちゃうんです。

チャーリー : 中国語では、「は?」っていうのは発音によって言葉が違うんじゃないですか?

きょうちゃん : 悩んでるママたちに子育て講座をしています。『ままサプリ』っていう子育て講座をしていまして、ポッドキャストでも、「ままサプリ」で検索していただくと聞けるので、ぜひぜひ。

私が一人でベラベラ、こういうふうに喋ってるだけなんですけど、中国の、上海の駐在員のママたちの悩み相談だとか、中国でインターナショナルに通ってるお母さんとかローカルスクールに通ってるお母さんを呼んで、世界の教育事情なんかもお話したりさせていただいているので、ここに呼んでいただいたのかなと思いますが、あまり知識はありません。感覚だけでしゃべらせていただきたいと思います。

ま、要は、中国の子どもたちって自己肯定感が200パーセントあるんです。それはみんなにチヤホヤされて育っているので、まあ、一人っ子政策で、お父さんお母さん、両方のおじいちゃんおばあちゃん、6人の愛を受けて、ちっちゃい頃はこんなところ(頭)に花つけてみたり、ものすごく面白い服を着てるんですね。「自分は可愛いでしょ?」っていう感じなんですよ。

でも、やっぱりその子たち強いなって今、思うんですよね。すぐ会社を辞めるとか、日本語しゃべれないのに「しゃべれます」って言って応募してくるとか。しゃべれますって言って、「おはようございます」しか言えなかったとかね。

本当に、そのくらい自分に甘いっていうか、前向きなんですが、それ、すごーい大事なことかなって思いながら、子育てコーチング、その「自分の肯定感がいちばんだよ」っていうのを軸にさせていただいてます。よろしくお願いします。

せっちゃん : では、高橋香織さん、かおりん、お願いします。

 

講演録『世界の教育』しつもんカンファレンス

高橋香織 ニックネーム・かおりん
しつもん財団事務局

「感性の扉をひらき、輝く自分へ」まずは自分との絆、そして自分と他者との絆を深め、ともに高め合う世の中を創りたくて生きています。円坐が好き。ご縁の中から仕事が生まれ、自分にはまだ早いと感じる機会にも果敢にダイブしてきました。言葉を超えたところで響きあう感覚を大切にしながら、より純度のある自分に還る旅をそっとアテンドする人でありたいです。

 

かおりん : こんにちは、かおりんと呼んでください。学生さんがね、いっぱい来てくれているのがすごく嬉しいなーと思って、ドキドキドキドキワクワクしています。

私はですね、今回のしつもんカンファレンスを共催している「しつもん財団」というところの事務局もさせてもらっていて、そのつながりで先日、バリ島のグリーンスクールというところに教育視察ツアーを組んで行ってきたんですね。その点で、今回、「世界の教育」というテーマにスピーカーとして登壇させていただいているのかなって感じています。

チャーリーみたいに10数カ国の教育を探求しているわけでもなければ、日本を出て、他の国の教育を感じたり、直にね、きょうちゃんみたいに体験しているわけじゃないのに、ここに立てるのってすごいと思いません?

チャーリー : ま、座ってますけどね(笑)。

かおりん : はい(笑)。本当に貴重な機会をいただいているなぁーと思っています。

こないだバリ島に行ったときは、グリーンスクールの先生の話も聞いてきたし、そこに子どもが通っているお母さんのお話も聞いてきたし、あとは、たまたまなんだけど、私のお友だちがバリの方と結婚してバリに住んでいて、そのお友だちからもお子さんに対する教育観なんかも聞いてきたので、もし流れがあれば、どんな話が今日できるのか今のところ分からないんですけど、皆さんと共有していけたら嬉しいなと思っています。よろしくお願いします。

 

日本の子育ては、母親の責任が大きすぎる? 

せっちゃん : それでは、今日は大きなテーマで、世界の教育それぞれの国の話とかも出ましたけども、「世界の教育とは?」というところで、自分はこれを伝えたいみたいなことがありましたらチャーリーから。

チャーリー : 自分から伝えたいことですか?

せっちゃん : うん、まず。いっぱいありますよね?

チャーリー : 自分から伝えたいことは、今、コーヒーが飲みたいな。

きょうちゃん : 自由だな。

かおりん : コーヒーお願いします。

チャーリー : 自分から伝えたいなって……。

せっちゃん : あ、マイクを持って。

チャーリー : あ、はい。

自分から伝えること? あー、僕、世界の教育も日本の教育もすべて、教育って、なんだろ、学び以外にもすべてが、自分が生きていることすらも、すべてが教育だと思うんですね。ですので、そこに答えって、ないじゃないですか。

学びの上でも自分が生きていくなかでも、過去であっても未来であっても現在であっても、答えというのはないと思いますね。ですので、僕は、周りにいかにとらわれず、自分をいかに知ること、それがすべての教育の根源なんじゃないかなと思ってますね。

せっちゃん : かっこいー。きょうちゃんはどうですか?

きょうちゃん : 私は中国の幼稚園とか行かせていただいたりとか、インターナショナルスクールの見学させていただくんですけど、行ったときにすごいと思ったのは、私たちが質問すると、中国の子たちって軍隊みたいに、ガッ!て私たちの方に椅子を向けて「ハイハイハイハイ!」って言ってくるんですね。

これってたぶん、ちっちゃい時から寮生活をしていたりして、社会が育てるものっていう教育なんですよ、中国は。子どもは社会の宝。バオバオとかバオベイとか言って、宝宝って書くんですが、施設がかなり整っていて、子育てがめちゃくちゃしやすいですね。実際、預けるところがたくさんありました。私も下の2人は北京で産んでます。

日本で子育てがいちばん大変でした。私がいちばんの責任者みたいな。ADHDのいろんな欠陥のあるお母さんなので、すっごい責任を感じて子育てしてたんです。友達とね、日本で「1歳からみんな一緒に育ててくれたらいいのにね」って、よくそういう話をしてました。「なんか責任大きすぎるよね」って。

中国では社会がいっしょくたに育てます。だから「ハイハイ」って言わないと目立たないので、ちっちゃい時から寮に入れたりするんです。早い子だと7時くらいから預けられて、5時とか6時くらいまで当たり前に居て、寮に入ってる子は土日だけお母さんが引き取りに来るとか。中国って男女共働きなので、おじいちゃんおばあちゃんが迎えに来たりします。

あ、なんの質問でしたっけ?(笑)。世界の教育ですね。あ、すみません。
中国の話をし出すとちょっと長いんですけど、ということで、社会みんなが育てていけたらいいな、そして、平等に享受できたらいいなと思います、かな。

講演録『世界の教育』しつもんカンファレンス

 

せっちゃん : 環境が全然違うということですね。国というか社会というか。日本との違いとして。

きょうちゃん : そうですね、日本は選択肢がたくさんあって、中国人がまず言うのは、日本の学校に入るときに「すっごい複雑で分かりにくい」って言うんです。学校がいっぱいある、それぞれ特徴がある、受験内容も全然違う、なんじゃこりゃってなるんですね。

だから、んーー、なんか、あーそうだな、でもそういうことでもないな。ちょっとよくわからないんですけど。とにかく、みんなで育てていけたらいいなと思います。一人じゃなくて。

せっちゃん : そうですよね、あの、私も現場にいる人間なので(わかりますが)、残念ながら、みんなで育てるってなかなかないですよね。お母さん一人で育てているような、保育園だったらお父さんとお母さん順番にお迎えとかね。必死な感じです。

まあね、社会が国がって言ってても、今の現状の中でね、しょうがないことがあるので、その中でどうしていこうかということだとは思うんですけど。

チャーリーも現場にいてそれを感じていますか?

チャーリー : あれ、もう終わったかと思ってた(笑)。何ですか?

かおりん : 話聞いてない(笑)。

せっちゃん : 聞いてない、それくらいの人がいいんですよねー、教育者はね。あの、マイクを持ってください(笑)。

中国のお話を聞いて、子どもは社会が育てるんだ、みんなで子育てするんだっていうのが、日本ではなかなか。私も現場にいても、お母さんの責任が大きくなっていると感じます。「なんでこの子こうなの?」的なね。

チャーリー : あ、聞いてました。思い出しました。

せっちゃん : そこらへんのね、なんか思うことがありましたら、ぜひお願いします。

 

先生と親と子どもは、三位一体

チャーリー : まったくおかしな社会だと思います。

通常、諸外国、日本以外の国は三位一体と言う言葉をね、政治でも何でもそうなんですけど、親と子どもと先生、学校とか幼稚園とか、これが三位一体なんですよ。「必ずそこが連携をとっていかなければ子どもの心は育たない」と断言しているんです。

にも関わらず、日本という社会は、なんていうかなー、あまり社会のせいにしたくないんですけど、親とその三者がまったく別個になっているじゃないですか。これで育つはずがないんですね。

いいですか? もっと長い方がいいですか?

せっちゃん : はい、わかりやすいです。かおりんはどうですか?

かおりん : はい、今ね、「ハイ!」って、心の中で手を挙げたんです。

世界の教育というテーマではありますが、私が日本から出て直接見てきたのは、バリ島だったのね。それもグリーンスクール。なので、「グリーンスクールの教育とは?」になっちゃうんですけど、私が感じてきたのはまさにそれで、垣根がないということを、先生の話を聞いてもお母さんの話を聞いてもすごく感じました。

私も日本で、しつもん財団とか個人的な活動を通して、ともに協力しあって高め合っていけたらいいなと活動をしているんですね。その中で、なんかこう、どうしても連携が取れないことがもどかしかったり、凹んだり、失望したり……。結構失望しやすいんですけど、でもそれがね、また「どうしたい?」っていう自分の力が湧いてくるから、大事にしているんです。

そんなプロセスの中で、同じ方向性を見てやっています。グリーンスクールに行ったときに、「垣根がないんだよー」「コミュニティとしてやってるんだよー」っていう話をすごく聞かされて。

 

講演録『世界の教育』しつもんカンファレンス

せっちゃん : 学校がコミュニティ?

かおりん : そうそうそう。先生と親と子どもと。

そのコミュニティは対等なんだよって。

日本人のお母さんの話を聞いたときも、やっぱり、そうおっしゃるんですね。「でも最初、私も日本で教育を受けてきたから、先生って、こう上の方にね、対等じゃない目線で見ることがあった」と。「じゃあ、どうしてそれが徐々にそうなったの?」って、何回もいろんな聞き方で聞いたんですけど、最終的に私が受け取ったのは、「コミュニケーションの回数が違う」というところでしか受け取れなかったんだけど。

そこってすごく大事なことだなと思っていて。「毎日会うからしゃべるんだよね」って。そして、そのお話する相手の先生がそういうスタンス、姿勢、対等に関わるというところで安定しているから、徐々にこう移ってくるというか、引っ張られるというか、(対等にコミュニケーションが)できてくる。

「それがともに高め合ってくるというエネルギーなんだろうなぁ」と仮説を立てております。

せっちゃん : たとえば、きょうちゃんが言ってくれた、「みんなが育てる」というのは、日本でもありましたよね。「ちょっとお醤油貸してー」とか、「いっぱい餃子作ったからあげる」とか、わりと近所のそういうあれがあったんですよね。

中国はわりとずっとそんな感じなんですかね。どういう感じなんですか?

 

ナイフのような思春期がない中国

きょうちゃん : あの、今ちょっと、かおりんの話を聞いてて思ったんですけど、中国人って、とにかくうるさいんですよ。ずっとしゃべってる。

せっちゃん : 人の話を聞かないの?

きょうちゃん : いや、まあ、人の話も聞かないのかな。とにかく町中うるさくて。

チャーリー : 電車の中なんてめっちゃうるさいですよね。

きょうちゃん : めっちゃうるさいですよね。普通に携帯でしゃべってる。

だからコミュニケーション能力でいうと、普通にとるので、ローカルの学校に行ってる親御さんに聞くと、思春期があんまりないんですね。日本の子ってどうしてあんなに不機嫌に、うちの子たちももう超ジャパニーズで、日本人学校に行ってるんですけど、思春期であるのがカッコイイみたいな。もうジャックナイフなんだよね。

チャーリー : ははは。ちょっと古い表現ですよね。

かおりん : みんなわからないって(笑)。

きょうちゃん : まぁ、例えなんですけど。

ほんと朝から機嫌悪いし、睨みながら起きてくるし。

これはひとつに、自我が目覚めているのに同調しないといけない集団の中でストレスがたまっていることもあると思いますし、私も大反省なんですけど、日本の家庭って、そんなにわーわーしゃべらないでしょ。私は1人でしゃべってるんですけど、子どもたちに言う機会を与えてこなかったのかなって反省したりするんですね。

中国の家庭はとにかくしゃべります。しゃべりながら食事をするのが消化にいいとされているので、1人で食べるとか「とんでもない」って。うちに来てる中国人が、私が1人で食べていると怒るんですね。「消化に悪いだろ、しゃべりながら食べなさい」って。

せっちゃん : 初めて聞きました。

かおりん : しゃべらない、ならあるよね。

せっちゃん : しゃべらない、とかはありますけどね、給食とかで。

きょうちゃん : ないですねー。

だから、みんな子どもたちもすごい自己主張しますし、インターナショナルでもそうなんですよね。インターでも思春期がないって。バケーションになるとお父さんと一緒にしゃべる機会を設けたり、朝から晩までしゃべってるんです。

日本人のお母さんはみんな(子どもの思春期に)悩んでいますよね。まぁ、コミュニケーションはありますけどね、年相応にありますけど、量で言うと、たぶん日本はすごく低いんじゃないかなー、ウチも含めて。と思いますね。

せっちゃん : 基本的に毎晩家族で食べるっていうのは中国ではそうなんですかね? おじいちゃんおばあちゃんとかも。

きょうちゃん : 中国は外食文化なので、みんなで食べる。そのへんの近所の人とワァーーってしゃべって。ものすごくうるさいですね。声が聞こえない。ガチャガチャガチャってやって食べるのが消化にいいんですよね。所変わればなんですけど。だから寂しくないのかなーと思ったりします。

 

講演録『世界の教育』しつもんカンファレンス

(Part2へ続く)

撮影:寺前陽司、上田修司、清川佑介

 

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