電子書籍には、紙の書籍にはない面白さがある。出版のハードルを軽々と越えていく、新しいカタチ

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講演録『これからのメディアと宝物』Part1



編集者とグラフィックデザイナーと電子書籍出版経験のあるしつもん家。価値を引き出し、形にする専門家が、電子書籍について感じていることを語る75分。まずは電子書籍の可能性からスタートです。

2017年9月30日開催
しつもんカンファレンスin OKINAWA セッション1C


▼登壇者情報

スピーカー/
藤岡信代
問出版社代表編集長

高橋宏比公
GRAFICO DESIGN inc. 取締役YELL 代表 、Art Director/Graphic Designer

橋本幸明
しつもん家

質問家/
寒川井誠
コンテンツ・クリエイティブ・デザイン(株)代表


高橋 宏比公 氏(以下、Hico): 高橋宏比公と申します。Hicoさんと呼ばれています。よろしくお願いいたします。

グラフィックデザイナーをやっていまして、今回ご縁がありまして、魔法の質問のしつもん出版の電子書籍のカバーデザインをさせていただくことになりました。今日資料持ってきましたので、後ほどみなさんにご覧いただこうと思います。

電子書籍、グラフィックデザインの観点から、今日はお話しできればいいなと思っています。よろしくお願いします。

しつもんカンファレンス2017

高橋 宏比公 ニックネーム・hicoさん
https://www.behance.net/grafico_design

GRAFICO DESIGN inc. 取締役  YELL代表 Art Director / Graphic Designer
主な仕事/じゃがポックル(ポテトファームブランド全て)パッケージデザイン、北海道電力ロゴ、ROYCE CHOCORATE WORLDロゴ、ロイズ生チョコレートビジュアル、横浜QEENS EASTロゴ、ほか様々な業種のロゴ・ツール・広告のデザインなど。受賞作品、作品掲載書籍多数。 しつもんや心理学、デザイン思考を活かした 地域社会の貢献人を目指し勉強中です。 よろしくお願いいたします。

 

寒川井 誠 氏(以下、寒川井): よろしくお願いします。(拍手)

Hicoさんとは同じ北海道人同士なんですけど、北海道に”じゃがポックル”っていうお菓子があって、そういうキャラクターデザイン、パッケージデザインをされています。よろしくお願いします。(拍手)

では、橋本さん。最近どんなことされていますか?

橋本 幸明 氏(以下、はっしー): 橋本幸明と申します。ニックネームははっしーと言います。

最近やってることはですね、ここ2週連続で『魔法の質問』の勉強会をやっておりまして。強み発掘勉強会ということで、みなさんの隠れたお宝の強みを発見できる、楽しい2時間ほどの質問勉強会をやっています。

実際、魔法の質問14期の認定講師という形で活動しておりますし、通常のコーチングのセッションもやっております。

あと、最近流行りのストレスクリアという、たった一つの質問で、どんな悩みも解消しちゃって、ほしい現実が手に入る。そういうセッションをしたり、あるいは養成講座を開いて、コーチングの方を育成しているというような活動を最近しております。

川井 よろしくお願いします。(拍手)

はっしー: よろしくお願いします。

川井 強み発見って…、僕もコンテンツを作るサポートをしたりするときに、強みを生かしてほしいなっていう気持ちはあるんですけど、人によって見つかったり見つからなかったりって、スピードが人によってマチマチだなって思っていて。

強み発見の勉強会って、誰でも見つかる感じですか?

はっしー: 誰でも見つかります。

しつもんカンファレンス2017

橋本 幸明 ニックネーム・はっしー
https://www.stress-clear.com/

しつもん家
人として最高の理想的な望む未来を提案し、提供するしつもん家、橋本幸明です。ぼくは、ストレスクリアという方法を使って経営者やプロフェッショナルな方に対して、たった2つのしつもんで、解決困難な問題を解消に導き、恋もお金も自由も、豊かさや、幸せも、すべて手に入る!そんなミラクルを引き起こすしつもんセッションを提供しています。

 

川井誰でも見つかる感じ。へぇ~。どういう切り口で探してるのかなって、聞いてみてもいいですか。

はっしー: そうですね。強みっていうときに、2つの切り口があるんですね。1つは内的。自分軸の切り口。自分が簡単にできるとか、無意識にできるとか得意なこと。自分にとって得意か不得意かを考えていくという切り口。

もう一つは他人と比べての切り口ですね。他の人よりも優れているとか、よくできるっていう切り口なんですけど、まず最初の自分の部分でいえば、たとえば1人か集団かだったら、どっちの方が居心地がいいか。

1人の方がいいのか、あるいはゆったりしたペースと急いだペースとどっちがいいかっていう形で、そうやって対比、比較することで、「自分はどっちなんだ?」っていうのが見えてくるので。

そういう問題をいくつか用意しているので、それでだいたい自分の特徴が見えてくる。もう一つは、他人との比較なんですけど、大事なポイントは”誰と比較するか”。

川井 ほぉ~。

はっしー:要は、上手な人とかプロフェッショナルな人と比較しちゃうと、「私まだまだダメ」。自信なくすんですね。でもたとえば、まったく初心者の人とかあるいは経験のない人。自分よりもレベルの低い経験値の人と比べれば、先生なんですよね。

たとえば、『魔法の質問』を勉強しました。まだ半年です。

でも、全然勉強したことない人と比べれば、もう大先生に見えちゃうんで。そうすると、全然経験したことがない人、あるいは初心者の人に対しては、それが強みになる。

内容によっては「教えてください」だとか、もう身近な存在として先生として見てもらえるっていうのがあります。

そういうので、具体的に言うと、今までやってきたことを100個くらい書き出してもらうんです。

藤岡 信代さん(以下、のんちゃん): 100個!すごいですね。

はっしー:  必ず100個じゃなくてもいいんですけど、20個でも30個でもいいですけど。それを5人くらいのグループで発表し合うと、「あ、これすごいね!」「あれすごいね!」っていうのが見えてくるんで。

そしたら、自分が「たいしたことない」と思っていたことが、実はすごい強みだったと言える。ほんとに何十個も、やってきた経験とかできることを書き出して、それをいろんな人に伝えていくと、「これってすごいよね」ってなる。

のんちゃん: 私、実用書の出版社にいたんですが、実はマーケットとして鉄板なのは、初めてさん向け市場なんですよ。

しつもんカンファレンス2017

藤岡 信代  ニックネーム・のん
http://hensyuno.com/

問出版社代表・編集長
ファンをつくるブログ講座「編集脳アカデミー」主宰。フリーエディター。
老舗出版社でインテリア雑誌編集長を5年務めたあとフリーに。趣味は海外旅行。特にイギリスが好き。魔法の質問マスター0秋。

 

川井 ほぉ~!初めてさん向け!

のんちゃん: 初心者の人に向けた市場。初心者って必ず出てくるんですよね。

川井 はぁ~。

のんちゃん: 市場が枯渇しないんです。常に常に読者になる人が出てくるので。初めての人ほど情報を必要としているんですよ。

編集の観点でいうと、専門家のプロフェッショナルは、初めてさんに教えるのが下手だったりするんですよ。

川井 ありがちですね。ありがちありがち。

のんちゃん: もういっぱいステップを上がった立場で話をしちゃうと、間のステップを忘れてることがあるんですね。専門家になればなるほど。

だから、今の「ちょっと進んでるところから言ってあげる」っていうのが、視点としてすごくいいっていうのが私はすごくわかります。

出版社もそういう視点で、必ず入門書とか初めて経験する人のための実用書はたくさん出ていて、たぶんみなさんあまり意識したことないと思うんですが、スピーチの本とかって安定的に売れるんですよ。

必ずその機会が来た時に必要とするものっていうのがあるんです。

川井 必ず初心者から始まりますもんね。

のんちゃん: そうなんです、そうなんです。だから、誰でも教えられるというか、書ける立場になれる(はっしーの話は)って、すごく説得力があるなって思いました。

川井  なるほどね。そうですよね。みんな初めてありますもんね。

しつもんカンファレンス2017

寒川井 誠 ニックネーム・まこっち
http://www.koushi-dougu.jp/

コンテンツ・クリエイティブ・デザイン(株)代表
一般財団法人しつもん財団事務局長/評議員
一般社団法人インターナショナルマネーフレンド協会理事

コーチングやカウンセリングの要素を生かした独自のメソッドである「魔法の質問」のカリキュラム開発を担当する。質問するだけで、魔法にかかったようにやる気と能力が引き出され、行動が起こせるようになる「魔法の質問」を使った講座を、誰でも開催できるようにシステム化する。また、魔法の質問を使った講座ができる講師を育成しており、魔法の質問キッズインストラクターやコーチングの質問力が学べる問塾などの講師は2000名を超え、日本を超えて世界に広がっている。
「じぶんらしさを講座にする」をキャッチフレーズに、講師の世界観や在り方を、受講生と共有する講座づくりを行なっている。

紙の書籍とは違う、電子書籍の可能性

川井  ちなみに、「電子書籍を出してます」っていう人どれくらいいますか?

(会場の人挙手)ありがとうございます。意外と少ないですね。

じゃあ、「いずれは自分も電子書籍出しておきたいなっていう人は?」

(会場の人挙手)出したいっていう人は増えるのかな。

電子出版と商業出版の違いって、どういうところにあるのかなっていうのを聞いてみたいんですが。基本的な立場から。

のんちゃん: 商業出版っていうのは、出版社が企画して、出版社から出すものを商業出版ってよくいうんですけど。電子書籍は自費出版に近い感覚だと思うんですね。

自費出版って昔からあって、それは制作費を自分で負担して出す出版なんですよね。で、今中間のものも増えていて、出版社が流通もしてくれるけれど、著者の負担金もあるっていうスタイルです。

商業出版は負担金はなく、逆に原稿料がもらえるスタイルなんですが、出版社も今リスクがすごく大きくなっているので、企画の審査をするというのがすごく大変で。

刊行点数自体は年々増えていっています。なので、「チャンスは広がっている」ってよく言われるんですが、売れない本が増えてるんですよ。

川井う~~ん。

のんちゃん: (はっしーも)けっこうみなさん頷いてらっしゃるから、感覚としてわかると思うんですが、1日に、下手したら100冊とか出たりするんですよ。日によってばらつきはあるんですけど。そうすると、その中で売れる本って1冊とかしかないじゃないですか。あとはもう全部売れない本になってしまうので、とにかくその審査が厳しくて。時間がすごくかかるっていうのがあります。

だから、せっかくお声がかかっても、出版社で半年とか、「企画が通りません」とか、「もっと直してください」「もっと売れるためにこうしてください」っていうことが起こります。

で、出しても売れる本と売れない本がある。

川井う~ん、なるほど。

のんちゃん:でも電子書籍は、企画をするのは自分で、精査をするのも自分だから…。

川井 誰かに気を遣うわけではないと。

のんちゃん: そうそうそうそう。Amazonで、はっしーさんも出されたんですよね。

川井 僕も買いました。

はっしー: ありがとうございます。

のんちゃん: どんな経緯だったんですか? 出版されるとき。

はっしー: え~っとですね、もともとの経緯っていうのは、私はコーチングを2011年から学んでいるんですけども。コーチングの師匠と言いますか先生が谷口貴彦先生っていう方で、本を2冊くらい『ザ・コーチ( 最高の自分に出会える目標の達人ノート)』『ザ・コーチ2 (神様からのギフト)』っていう本を出されているんですけども。

実は幻の本っていうのがあるんですね。『ザ・コーチ3 ( 時間泥棒と賢者の地図)』っていう。ただ、出版社から「この本は売れるかどうか分からない。たぶん売れないよ」って言われてお蔵入りになったんです。

それでその原稿を読ませていただいたんですけど、すっごい面白くて、すっごい中身も濃くて、「これを世の中に出したいな」っていう想いをずっともっていたんです。

その時たまたまですね、明日のこの時間に伊勢隆一郎さんがゲストスピーカーで出られますけど、長倉顕太さんっていう元フォレスト出版のカリスマ編集長の方とその伊勢さんが一緒にやった「メディア グル」というそういう講座がありまして。

そこに参加して、電子書籍の出版の仕方、それからインターネットラジオPodcastの出し方っていうのを学んでですね。それでもう電子書籍の出版の仕方はわかったと。ただいきなり(谷口)先生の本を出すのは、失敗したら怖いなって思ったので、実験台として(まずは)自分で。

のんちゃん: すごーい!いいですね、それ。

はっしー: そこでちょうどマツダミヒロさんがエイプリルフールの時に「本を出しました」っていう嘘を出して。

川井 あ~ありましたね。

はっしー: ちょうど去年の1月くらいのタイミングだったんですけど「あ、じゃあエイプリルフールに間に合うように本を出そう」っていうふうに思って。

その時に魔法の質問の「7つの法則」っていうものがあるんですけど、それの質問勉強会っていうのを1月から3月まで毎週やっていたので「じゃ、それを題材にまとめてやろう」ということで書きためていって、4月1日は間に合わなかったんですけど、4月に無事出版できたんです。

のんちゃん: ほぉ~!

はっしー: それで一応いろんな経験を積んで、6月に先生の本を出して、また10月にもう1冊、谷口先生の「謙虚になるな」の本を出して、両方ともAmazonで1位を取ることができました。

Hico: すごーい!

川井 誰でも出せるんですか?電子書籍って。

 

Instagramの投稿を、明日Amazonで出版も可能!

はっしー: あ、誰でも出せます。さっき始まる前にHicoさんと話してたんですけど、実は昨日Hicoさんとfacebookでお友達になったんですけど(笑)。

川井 昨日繋がったんですか?(笑)。

はっしー: はい。昨日の夜、facebookの投稿を見ていたら「今日の気分」っていうテーマでいろんな絵を描いているんですけど、それこのまま本に出せる。その気になれば、それ使って明日、Amazonから出版できる。

のんちゃん: うんうん。

川井 明日できる?!

Hico: そうなんです。さっき控え室でその話を聞いて、僕は全然そういう出版とかっていう気持ちはなくてやっていたんですけど「これ、出版できますよ」って伺って。

確かに、自分が発信しているものなので、世の中に写真集というものがあるのならば(これも)ありだよねって。

幸か不幸か書くのも長文じゃなければ嫌いじゃないので、先ほどお話いただいたのは、片側写真で片側文章っていうのもありだよね~って。

のんちゃん: ありあり。

Hico: なので今後は、そういう出版っていうことも頭の隅に置いておいて、進めていこうかなって思っています。

川井なるほど。

のんちゃん: 素晴らしい。実は、電子書籍で今いちばん出ている点数が多いのは漫画です。

川井 そうなんだ。

のんちゃん: はい、そうなんですよ。だから別に文章じゃなくても。出版社にいたときに電子書籍の勉強会があって、いろんなところで見てたんですけど。

今は、テキストの書籍が多いですけど、電子メディアは、インターネットにリンクを貼って飛ばすことができる機能があるので、画像をたくさん載せるのはちょっとデータが重くなるので推奨されないんですけど、自分が持っているアーカイブに誘導することができるんですよ。

Hico: 飛ばせるっていうことですよね。

のんちゃん: 電子だから。電子じゃなきゃできないこと。

書籍にURLが書いてあっても打ち込まなきゃいけないじゃないですか。「このアナログは何?」ってなるじゃないですか。

川井 そうだよね。読んでたらそこ(リンク)にタッチすれば見れるんだもんね。

のんちゃん: そう。それがね、実はすごい可能性があって、そうするとものすごく奥深いものが作れるんですよね。

Hico: すごくアメーバのように広がりのある内容になっていくわけですよね。

のんちゃん: そうそうそう。そうなっていく。リンクを張ることができるし、そこに画像を入れておくっていうこともできるし、面白いことができる。

Hico: 個人の電子出版であれば、仲間の理論の話のところに飛んでもらったりだとか。

のんちゃん: そうそうそうそう。

Hico: だから今までの書籍では考えられないような横の連携、縦の連携、縦横無尽に飛ばすことができるっていうところが電子書籍のね……。

のんちゃん: 面白いところですよね。

 

動画が見られる電子書籍も作れる

はっしー: そうですね。たとえば私の知り合いでバルーンアート、風船でいろいろ作る人がいるんですけど、その方の電子書籍って、風船の作品の絵ばっかりなんですよね。

Hico: あ、そういうのがある!

はっしー: その絵をクリックすると、動画で風船の作品の作り方が見れる。

川井 動画でね。

Hico: YouTubeかどっかに飛ぶんですか?

はっしー: YouTubeに飛ぶんですね。

川井 電子書籍だけども…

のんちゃん: 電子書籍だけど動画に、YouTubeに飛ぶ。

はっしー: たとえば私の電子書籍の本は、そのマツダミヒロさんの質問の本のところにリンクを付けていますので、だから「『7つの法則』をもっと詳しく知りたかったら、ミヒロさんの本へ」って。

あと、谷口貴彦先生のお考えも入れているので、もう少し詳しく知りたい方は谷口先生のT『ザ・コーチシリーズに飛べるようにするとか、そういうような形にしています。

どんどんどんどん自分の本を出していれば、他の自分の本のバックナンバーに繋げる場合もできる。

Hico: お話聞くとね、マツダミヒロさんのところも紹介できるわけで。となると、魔法の質問のHPにも飛んでいただいて、そこでファンを囲い込むっていうこともできるっていうことですよね。

はっしー: できますね。もうリンクを張るだけなので、どうにでも利用できるんですよね。

のんちゃん: そうなんですよ~。

はっしー: HPでもいいですし、ブログでもいいですし。いちばんオススメなのは、メールマガジンやっているのであれば、メールマガジンの登録ページ。

のんちゃん: 書籍って  昔から「名刺がわりに出す」っていう言葉があって。経営者の方で、ご自分の足跡をまとめてほしいっていう方がよくいらっしゃるんですけど、もっと実用的な名刺がわりになるんですよ。電子書籍って。

ほんとうに簡単に、自分のメディアに飛ばすことができるので。ちょっとマーケティング的なPRだとか、ファン作りっていう視点でも、もっと紙よりもうまい使い方があるっていうふうに思いますね。

川井 なるほど。

Hico: 電子書籍はAmazonにアップするのは無料でしたっけ?

はっしー: 無料です。

川井 すごい。無料なんですね。

Hico: ということは、自分カタログというか自分のプロファイルを電子書籍としてアップしておくことは可能ですか?

のんちゃん: あ、ありかも。

はっしー: 可能です。

Hico: あるいは、飲食をやってる人とか自分のところのメニューをそこ(電子書籍)にアップすることも可能っていうことなんですね。

はっしー: 可能ですね。

Hico: そ~れは全然考えたことなかったな。

はっしー: 要は、いわゆる紙の商業出版みたいにいろんな審査であったりとか、売れる売れないみたいなものが入りませんので、もう何でも載せられるんですね。

Hico: 何でも。何でも。しかも簡単なんですもんね!

はっしー: はい。やり方さえ覚えれば簡単。

お客さん: よし!

しつもんカンファレンス2017

川井  この前、電子出版した方から紹介のメールが届いたのね。100円が98円になっていたので、買ってみようかなって買ったら5枚写真が載ってるだけだった。

Hico: え?! 5枚ですか?

川井 5枚しか。5枚というか5ページ分で終わり。

のんちゃん: へぇ~。

川井 自分の家の写真とかそんな写真。「100円か~」とか思ったけど、文句は言えなかった。(笑)。

Hico: さすがに5枚だと(笑)。

川井 そうそうそう。

 

電子書籍の目安は2万字。ブログの延長で出せる。

のんちゃん:目安として、書籍1冊って10万字書かないと出せない。もたないんですね。紙の本ってボリューム感が感覚的にあって。ページ数が必要なんです。

10万字ってみなさん想像できます? 書ける気しないじゃないですか。

でも、電子書籍の目安は2万字なんですよ。

川井、Hico: ほぉ~。

Hico: グッとハードルが低い。

のんちゃん: そう。2万字じゃなくても、それこそ5000字とかでもうできちゃうんですね。5000字って、ちょっとしたブログの記事の5本分ですよ。たぶん普通に書いてブログの記事って1000字くらいは書けるはずなので。

だから10本たまったら、十分冊子になるし。

川井 なるほどね~。そんなことを意識しながら情報発信していくと、アクセス数がいいものは売れるコンテンツっていう可能性が出てくるんですかね?

のんちゃん: (水を飲むのを中断して)そうですね。あの~…。

川井 あ、水飲みながらで大丈夫です(笑)。

のんちゃん: すみません。私は紙(の本)もやっていて、今ブログの書き方も教えるのをやっていて、何がいちばん違うかっていうと、紙って、出してみないとわからないところがすごく大きくて。

雑誌の編集をやってる時も、結局売れ行きを見て、次の企画を考えていくんですが、3カ月先なんですよ、結果を見て反映できるのが。でもブログだったら、昨日読まれた記事がすごくよかったら、今日それの続きを書けばいいわけじゃないですか。

そのリアルタイム感とか、あとしっかり読まれる理由が計測できたりとか分析できるっていうのが、すごいと思うんですよね。だからすごく楽しいし、売れるものを見つけやすい。

でもそのためにはどんどん発信した方がいいっていうのがあって。やっぱり発信しないと、反応が返ってこないわけですよ。で、反応を見て次のことを考えればいいので。

“キラーコンテンツ”っていう、出版界ではそういう言葉があって。一つ「これだ!」っていうのがあったら、それをどんどんどんどん横展開と縦展開をしていくんですね。深掘りをするのと、それと似たテーマで同じようにどんどん広げていく。

Hico: (うなずきながら)はいはいはい。

のんちゃん: あ、デザインも同じですよね!横展開をしていくっていうのがあって、それを日々やっていけば、ブログで。

川井 ほぉ~。

のんちゃん: そこでまたデコとボコが分かってくるから、たとえば100日間書いたブログで(反応が)いいものだけピックアップしてまとめたら、すごくいいコンテンツができるかもしれないってありますよね。

だから、日々意識して発信するって、けっこう重要だなって私は思ってます。

しつもんカンファレンス2017

川井 なるほどね。よく出版って、1冊目でコケると2冊目がないっていうじゃないですか。すごく重要ですよね、1冊目って。

のんちゃん: はい。そうですね、商業出版は今ちょっと…。あ、たぶんみなさん裏話を聞きたいと思うので、ちょっとお話すると、「取次」っていうのが出版社と書店さんの間に挟まる仕組みになっていて。問屋さんですね。

で、日販っていう大手があって、日販が日々売上データをPOSから集めてるんですね。日販POSというデータがあるんですよ。TSUTAYAもあって。みなさんTSUTAYAでTポイントカードを使ってらっしゃると思うんですけど、あそこに個人情報がかなり含まれているんですけど、それと書籍の販売データが、個人情報が分からない状態になって紐づけられていて、データ化されています。

それと有名なのが、紀伊国屋パブラインという紀伊国屋書店の売上データがあって、毎日、誰のどの本がどこで売れているかっていうのを出版社みんな見てるんですよ。

川井 なるほどね。

のんちゃん: 全出版社のデータなので、「この著者の先生は3カ月間で何冊売れましたよね」っていうのをもとに企画会議をやってるんです。だから、会議が厳しくなってるんですよ。

Hico: なるほど。ビジネスですからね。

川井今週出して、失敗したら「なかったことにしてこっちの出版社で出そう」って思っても共有されているわけですね。

のんちゃん: そうなんです、そうなんです!なかったことになんないんですよ。

Hico: ばれちゃうんですね。

川井 恐ろしい……。

のんちゃん: 恐ろしい。そうだから、1冊目がすごく重要になっていて。

なので、何回も本を出されている方は、どんどんハードルが下がっていって、いろんな出版社から「出してください」ってお願いがくるんだけど。

1冊目、初めての著書ってなると「どれだけ売れますか?」「どれだけファンがいますか?」ってまず聞かれます。

川井 はぁ~。

のんちゃん: ブログをやっている人だったら、「どれくらいそのブログが読まれていますか?」「メルマガは何人登録がありますか?」って言われて、「じゃ、そこで10%くらいみて、このくらいですね。あなたのファンはこれくらいの数ですね」っていうのをやるんですよ。

川井 厳しい。

のんちゃん: 厳しいよ~。だから私は辛くなっちゃったんですよ。

川井 あぁ~。

のんちゃん: その世界にいるのが辛くなって、フリーになろうって会社を辞めたんです。そうなんです。夢がいっぱいあるんだけど、その最初のハードルが高くなっちゃうんですよね。

川井 なるほどね~。電子出版だと出してダメだなってなったら入れ替えられる?

のんちゃん: はっしーさんどうですか?

はっしー: はい。ダメだな~って思ったら廃ってすぐできますし、あと誤植、文字が間違ってたらすぐ差し替えすることもできるので、もうほんとに自由にできます。

のんちゃん: いいですよね。

はっしー: で、あといわゆる紙の本。商業出版と電子書籍の違いなんですけど、電子書籍は数を出したほうがいいんです。

川井、のんちゃん、 Hico: ふ~~ん。

はっしー: 1冊よりも5冊とか10冊とか。数打ちゃ当たる方法。

川井 へぇ~。

 

Amazonランキング1位を取るのは簡単?

はっしー: あとね、電子書籍って今Amazonで出版される方が多いんですけど、Amazonで1位取るってめちゃくちゃ簡単です。

のんちゃん: え!そうなんですか?

Hico: それはどういうことなんですか?

はっしー: Amazonの1位っていうのは、まず◯◯の1位とかいろんなジャンル…、心理学とかいろんな部門に分かれているので、そうすると、どこかのジャンルで1位になる可能性があるんですね。

たとえば今(この会場に)50人くらいいらっしゃると思うんですけど、僕が明日、本を出しますと。99円で出します。「みなさん明日買ってください」っていう形で、ここのみなさんが明日買っていただくと、たぶんどっかのジャンルで1位は取れます。

寒井川: 50人で?

Hico、のんちゃん: おぉ~~!

のんちゃん: 電子で?

はっしー: 電子で。当然、経営とかマーケティングとか心理学っていう大きなジャンルは数百冊売れないと、千冊まではいかなくてもいいかな。でももっと小さなジャンルだったら、数十冊、数百冊売れるだけで1位なんですよ。

Hico: へぇ~~。電子書籍って数限りなくあって、そういう中でどうやって自分の書いたものを人の目に止まるようなものにしようかって、すごく悩みどころだと思うんですよ。それ、何かコツとかあるんですか?

はっしー: 私がやったのはですね、電子書籍出すときに素材って何があるかっていうと、本のタイトルがありますね。それから中身の原稿があって、表紙のデザイン、これだけ用意すれば実はいいんです。

で、まず最初に本のタイトルをいくつか候補案作ってですね、たとえばみなさん友達であればfacebookでいくつかのタイトル案を「どれがいいですか?」って投票してもらう。

Hico: あ、仲間に?

はっしー: そうそう。まず最初に「ちょっと本出すんで協力してください」っていう形で、友達にグループに入ってもらって「本のタイトルどれがいいですか?」ってみんなでつくっていく。

次にデザインもデザイン案っていくつか出てくるから「どれがいいですかね〜?」っていう形で。

のんちゃん: うまいやり方ですね。

はっしー: で、原稿も「やっと書きあがりました!みなさんにもお伝えしますので、感想教えてください」ってなるとすごい一体感が出るんですよ。

Hico: 巻き込んでいくわけですね。

川井 関わっているっていう感じがする。

はっしー: それで「とうとう出来上がったので来週月曜日発売します!ぜひみなさん応援してください」「お友達に紹介してください」ってなると、やっぱり自分もみなさんも関わってるから「これいいよ~」って。

Hico: ポチッとしたくてしたくて、しょうがないですよね。

はっしー: だからここにいる50人の方が5人ずつ紹介してもらったらすぐ。

川井 なるほど。

はっしー: そうすると250。そうすると必ずどこかのジャンルで…

Hico: トップ。ほぉ~。

はっしー: で、うまいこといくと、Amazonのアンリミテッドっていう読み放題で読めるところに入っていくと、ずっとAmazonさんの方でプロモーションだったりだとかやってくれる。

のんちゃん: あと売れている本っていうところに入ると、人はやっぱり「売れている本から読みたい」っていうのがあるので。

Hico: 確かに。

のんちゃん: それは商業出版も同じで、今すごく(点数が)出版されてるから目立たないんですよ。普通にやってると。そこで何を買うかっていったら、売れている本を買うんですよ。人の心理として。

川井 うん。

のんちゃん: だからそういうランキングに入るとか、最初の…、本を売る時って「初速がすごく大事」って言われるんですけど、「最初にいくら売れてるか」というので後の売れ行きが決まるんですよ。

それがやっぱり注目をいかに起こすかっていうところにすごく力を注いだ方がよくって。だから(はっしーのは)やり方としては、今いちばん新しいですよね!巻き込み型って言われている。まず仲間を作って…

Hico: ファン作り。

のんちゃん: ファン作りからやるっていう。

はっしー: 売れるためには、やっぱり仲間というかコミュニティを作って、一緒に作っていく。そうすると、そのグループ、コミュニティにいる人も、「私も本を出したい」って思うようになって、そしたら、1回出せばやり方って教えられるので。

そうすると一人一人みんな本を出していって、みんなで応援し合ってという、いい循環が生まれるんですよね。

 

>>>パート2 へ続く


撮影:寺前陽司、上田修司、清川佑介

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