講演録『何をすれば人生逆転できるのか?』Part2
「自己開示」を逆転のきっかくにしたエピソードから、自分との対話のあり方、そして試練をもたらす「お試し」の話へ――。興味深い体験談に思わず前のめりに……。
2017年9月30日開催
しつもんカンファレンスin OKINAWA セッション2A
▼登壇者情報
スピーカー/
伊藤勇司
空間心理カウンセラー
笹田修司
一般社団法人日本手相セラピスト協会代表
岩瀬早苗
一般社団法人 和のナチュラル薬膳協会 代表理事
質問家/
オオクボタカアキ
自信つけさせ屋
メディアでの「自己開示」はどうする?
ニコ:テレビとかもメディアですけど、Facebookとかブログとかもメディアじゃないですか?
その時ってどのくらい自己開示とかってするんですか?
サニー:どのくらい? したい時にするっていう感じ。
ニコ: したい時にする。自分の状況とかを赤裸々に語ると、ただの暗い感じになって人が反応しづらい投稿を見かけたりするんですけど、そのさじ加減って難しいなと思ってて。
いとっちは自己開示がKEYって言ってたじゃないですか? どういうところで自己開示するんですか?
いとっち: 自己開示をね、ブログとかでめっちゃするんですけど、全部する訳ではないんですね。
ブログとかメルマガの役割を明確に意識していることがあるので、自分のことを知ってもらうというよりも相手のために役に立つ情報っていうのを軸にしながら、その上で発信を整えていってる感じなんですよね。自分の分野に対してお伝えできることを伝えていってる。
その上で自分の想いであったりとか、気持ちとか感情とかよりも、「自分がこの仕事に対してどんな想いを持ってやっているのか?」ということを、外にはできるだけ開示するように整えていきましたね。
最初はいろんなことを書いてたんですよ。でもやっぱりそれだと、自分はすっきりするんだけど、なんかこう安定しないなと。
サニー:(ささやんに向かって)なんか言いたそう。
ささやん: いやいやいや、前のめり。
これかーー!成功する秘訣。2つ得られるのは、今のこのポイント。だから、ここまで1つしかないんだ。情報をちゃんとコントロールして伝えるんだ。
いとっち: そうですね、ここではこういうことをやろうっていう。
僕、基本片づけっていうテーマなんですよ。面倒くさがり屋なんですよ、いろんなことやりたくないっていう。これ1つに集約できるようにしようという考えでやってる。
ブログとかメルマガも「勝手に紹介される」という基準で書いているんです。自分でお客さんを取りに行こうとか、集客しようという発想が面倒くさい。行動が増えるんで。
そうじゃなくて、思わず紹介したくなるとか、やってくれるようなものを書こうと思って書いていたら、今、メディア5社くらいに記事提供しているんですけど、「良い記事があったら紹介させてもらっていいですか」ってくる。ブログから、出版とかメディアとか取材とか、全部入るんです。
そういった人たちが見るものを作ろうと整えていくと、どんどんどんどん整っていくようになったので、出す部分は考えながらやっていくようにしていますね。ここではこうしようって。
ささやん: ちょっと、ノート取りに行っていい?
会場: (笑)
ささやん: メモしたくなってきた。本能的に書きたいことを書いていてはダメなんだなって。
いとっち: ダメとかはないですけどね。明確な意図があるならば、というね。
ささやん: シェアされたくなる文章を書くというね。
いとっち: そうは言ってもね、適当に書くときもありますけどね。
ささやん: (会場に向かって)あとで教えてね。
会場: (笑)
ニコ: サニーさんはどうですか?
逆転につながるのは、自分と対話する時間
サニー: メディアですかね、うーん、そこまで意識してないことではあるんですけど。
でも私が大事にしていることで、もしかしたら逆転というテーマとつながるんじゃないかってずっと考えてたんですけど、たぶんね、私の中でのキーワードは「自分との対話」だと思うんですね。
結局、そこに行き着いて、まぁ、いろいろいっぱい失敗しているので、失敗だらけの人生なんですけど、その失敗した時に何をして復活したかなというと、自分と対話して、「何が今足りてなかったんだろう?」「どうしたらいいんだろう?」って、いつも自分に問いかけてきたから、で、自分自身を浄化というか、散々な目にあっても、「じゃあ、どうしたらいい?」ということを常にやってたかなーというのはありますね。
それをしながら、メディアというところでは、自分と対話しながら出てきた言葉を出したりしてるかなって思います。
ニコ: なるほど。
ささやんが鬱っぽくなっていたという時は、自己対話はどんな感じでやってたんですか?
ささやん: 自己対話? 対話できてないよね。自分を責めるばっかりで。
たとえば「自分の経営の仕方が悪かったから」とか、「営業の仕方が悪かったから仕事が入らない」とか……。
サニー: そこから、どうやって乗り越えてきたんですか?
ささやん: えーとね、仕事自体はね、乗り越えたってあんまり思えてない。もうね、あーー……
一瞬ちょっと口にするのをはばかる自分がいた。
いとっち: (超前のめりな姿勢へ)
会場: (笑)
サニー: 前のめりだ。
ささやん: もう、そうなったら言うしかないね。
えーっとね、僕の印象としてはね、手相セラピーを立ち上げた時に、僕は本業から逃げたという印象がある。
サニー: へぇーーーー、ま、時には逃げも必要なのかもしれない。
ささやん:今はそれも認めているんだけど、というか、従業員を残しながら、要は、自分の給料が取れない状態だったから。会社は借金を抱えてるし。
それで、「自分で死んじゃった方が楽になるよねー」って思いつめた時期もあったし、だけど家族を残している以上、家族を養っていく収入を得なきゃいけない。だけども会社では得られない。「じゃあ、どうする? しょうがない、自分の好きなことで立ち上げていくか」というところに至った感じかな。
だから本当のどん底の時は、対話できていないし、自分のインスピレーションだけで、なんかそうだな、癒されるとか安らげるとか救われるとか、そんなところばかりを求めたような感じがする。
それの1つが心理学だったし、その1つが手相占いだったし。で、結果、そのインスピレーションで感じたものをくっつけちゃったよね。っていう、そんな感じ。
立ち直りのきっかけは、ブログを書くこと
いとっち: ささやんの話を今聞きながら、僕も、どん底で、会社が倒産というかね、やめることになって、しばらく仕事ができなくなったんです。これまでやってきた仕事が。
なんだかんだで2カ月くらいで負債はなくなったけども、間違いを犯してしまった自分を責めて、本業で失敗した訳ではなかったんですけど、なんか、本業でお金をいただくという心境ではないっていう。
それこそもう、アル中でプチ鬱状態だったんで、何も自分のことを考えられなかったような感覚でずっと過ごしていて。そのタイミングで子どもが生まれたんですよね。もう本当、最悪な。
会場: (笑)
いとっち: 法人化したタイミングでお腹の中に授かって、どん底にいったタイミングで生まれたみたいな。
(妻が)いちばん一緒にいて欲しい時に、僕は始発から終電まで仕事をする、逆に泊まり込んでやるっていうのをずっと続けながら、本当に「もう無理だ、やめよう、負債無くなったけど、今の仕事をやめてしまおう」と思ったんです。何となしに、問い合わせフォームも全部消して、仕事が入らないようにして。
で、これまでやってきたことはすべて出し切ろうと思って、ブログとメルマガだけはちょくちょく書くようにしてたんです。それこそ、自分を振り返って、自分がやってきたことを記していこうと。
それをやっていったら、そのブログから取材が入って、それが『日経WOMAN』だったんですけど、それがまた爆発的に広がって、出版社から依頼がきて「出版して欲しい」と。
この本を書くっていう作業が、自分が立ち直るきっかけになったんです。自分がやってきたことを書いて、まとめて、「これでもう最後だ」と。この本で最後にして、就職しようと思っていたので。家族にも、「安定して。就職して欲しい」ってずっと言われてて。これでもう最後にするというので、やってきたこと全部を投入する感じで書いていったら、「すごくいいことやってたな」と。
会場: おおー!(笑)。
いとっち: 書きながら、「結構いいことやってる、いいこと言ってるな、いいこと考えてきたな」と。自分で思うようになっていったら、「伊藤勇司が就職していいのか?」と。
会場:(笑)
いとっち: 就職して、片隅で何も言わずに働くのと、今の活動をやっていくのでは、「どっちが人生において、世の中の人に対しての貢献になるんだろう?」と考えた時に、「就職なんてしてる場合じゃないな」と思うようになったんです、自分で。
出し切ってまとめていったら復活して今がある、というわけです。やってきたことをちゃんと認めて記録していくって、いいことじゃないかなと思いましたね。
ささやん: お申込みフォームを消したら勇司さんになれる?ってこと?
会場: (笑)
ささやん: とりあえず今回、申込みフォームを1回消してみよう。申込みが入らないようにして、再現性が大事(笑)。
ニコ:今の話を聞いていて、自己対話ってキーワードだなって思うんですけど。
サニー: うんうんうん。
2人の話を聞いていて私も思い出してきたんですけど、そのどん底で借金抱えた時って、人間不信になっちゃったんですね。
信じていた人にすごい投資して、すぐ返ってくるはずがまったく返らずにポンッて消えて。で、やっぱり私もしばらく人との関わりとか、本当に自分がうまく関係を持てなくなっちゃった時期があったんですけど、そういう時ってうまくやろうって思ってもできないから、できないものはしょうがないし、悲しい時は悲しいし、泣ける時は泣けるし、もう、その感情を全部感じ切ったんですね。
で、やっぱり、しばらくできないことがあったんだけど、全部感じ切ったあとに、少しずつできるようになってきたかな、と思って。うん、やっぱりそういう時期ってありますよね。だから、できなくてもいいというか、ずっと走り続けなくてもいいんじゃないかなって思って。
あと、もう1つ、自分との対話で大事なのは、自分がどこでスイッチが入るか、だと思うんですね。
大きく分けて、MかSかタイプが分かれると思ってて。私どちらかというとMタイプなんですよ。お尻ペンペンされないとやれないし、悲惨な状況になるとワーーっと動けるというMタイプなんですけど。
人によってはSタイプでね、すごく褒められてとか、そういうので上昇していく人もいるから、自分がどういうタイプなのか? どこでスイッチが入るのか?ってわかってればいいのかなって、そういう時に感じました。
ニコ: そういう時、どっちのタイプかを知っておくと。SかMか。それを自己開示していくと。
サニー: まぁ、でも褒められるのも好きなんですけどね、はい。ペンペン、ずっとされてもね。
やってくる「お試し」をどう捉えるか?
サニー:大事な時に、やっぱりお試しがくるんですよ。さっきの上司の話もそうだけれども、他にもいろんなお試しがあって。ピンチの時こそチャンスになっていく可能性があるので、そのお試し、試練というかね、何回もお試しがある度に自分が大きくなるというか、強くなれたような気がしますね。
いとっち: お試しは本当にあって、絶妙なお試し。負債になった時にすごいお試しがあって、それも忘れもしない沖縄でのお試しだったんですけど。
子どもがちょうど生まれるタイミングで、法人化する。「その前に一人旅させてくれ」と、実は妻に言ってて。自分を見つめ直したい、これからの方向性を考えたい、と。それまでいろんな人から、「沖縄の久高島に行った方がいいんじゃない?」と言われていて、神の島と呼ばれてる(島ですね)。
このタイミングで行った方がいいなと思って妻に頼んで、「今しかタイミングがないから、1泊でいいから」と了承を得て、久高島に行ってきました。行ったら行ったで、何か降りてくるかなと思ったら、全然何も降りてこなくて、意外と寂しかったなと。それで帰ってきてしまったんです。それを言ったら、「なんやそれ」みたいな話になって。
その4日後に上司から電話がかかってきたんです。さっきの話の上司から。
かかってきた時に、「これか!神のお告げだ」と思って。久高島に行ってきたという前提があったから、これは流れだなと思って。実はその前に妻と相談していて、今の僕の仕事が「不安だ」ってずっと言われ続けてたんです。個人で事業してるし、安定した収益?、収益は上がっているんだけれども水モノだと。
常に「公務員がいい」であったりとか「働いてくれ」と言われながら、「月額これくらいの金額があったら安心なんだ」とずっと言われていて。で、神の島から帰ってきて、上司から連絡があって、地域貢献の事業の事業譲渡の話が、その妻が言っていた金額と一緒だったんですよ。大きな収益は上がらないけども、継続的にこれくらいの収入が入ってくると、ドンピシャに重なっていて、
会場: おおーーー!!(笑)
ニコ: 神のお告げですね。
いとっち: これは神のお告げだと信じ込んで。妻にもね、有無を言わせず、「こんな話がきて、これは絶対いいから!」、もう「やる!」みたいな感じで、そこからどん底になる。
でもやっぱりそこで思ったのが、神の声とかね、何かの声っていうよりもやっぱり、自分の声というか、自分が感じていることに正直になった方がよかったなって。
先輩の話も薄々はわかっていたんですね、「本当はやったらあかんだろうな」って。本当はやりたいと思ってないから。そもそもやってきたビジネスとも違うことでもあるし、ちょっと、妻であったりとか家族であったりとかに気を使いながら、「その人たちのために」っていうのがあって。
自分の声は、「本当の自分だったら絶対やらないだろうな」っていう。安心させてあげるためと思って、あれもやった方がいいのかな?と決断したことは、ことごとくうまくいかない。本当は自分がどうしたくて、この我ではなくて、本心としてこうした方がいいというものは、忠実にやったら、どんどんうまくいく。そこはハッキリわかります。
ささやん: 今ね、さっき自分との対話ができてないって言ったけどさ、話を聞いているうちに思い出したのが、できてないと思ってたけど、してたのかも。
「もう、苦しい、これをやり続けていく苦しみから逃れたい」というのが本当の自分の声。だから、今やっている仕事を部下に全部任せて、自分がそこから外に出ていくというそれが、あー対話だったということか。今話を聞いていて感じました。ありがとうございました。おかげさまで。
ニコ: 自己対話してないようで、実はしている。
ささやん: そうそう、そこに意識を向けているか向けていないか、ただそれだけなのかな。
サニー: うんうん、自然にね、やってますよね。
ささやん: 全部インスピレーションでポンときたものだけをやってきたので、自分との対話と言われた時に、初めて気づいた。
「手相を見てもらいたい」と思ったのと、そこで「心理学を学びたい」と思ったところは意識として残ってたけれども、その前の段階として、「この苦しみから逃れたい」というそれが、元々のベースだったんだなって。
だから、今もずっと続けているのかな、進化させながら、って思いました。
(パート3 へ続く)
撮影:寺前陽司、上田修司、清川佑介